米ドル連動型ステーブルコインUSDCの2026年年初来の調整済み取引量が、長年トップを維持してきたテザー(USDT)を2019年以来初めて上回ったことが明らかになりました。

この動向を受け、みずほ証券はUSDC発行元である米Circle(サークル)の目標株価を引き上げています。

USDC取引量2.2兆ドル、USDTを上回る

みずほ証券のアナリスト、ダン・ドレブ氏とアレクサンダー・ジェンキンス氏が2026年3月13日に公開したリサーチノートによると、2026年年初からのUSDCの調整済み取引量は約2.2兆ドルに達し、USDTの約1.3兆ドルを上回りました。

これにより、調整済み取引量ベースの市場シェアはUSDCが約64%となり、2019年以来続いていたUSDT優位の構図が逆転した形となります。

ここで使われている「調整済み取引量」は、ウォッシュトレードや取引所内での機械的な資金移動などを除外し、DeFiや決済、予測市場など実際の利用に近い資金移動をより反映させることを目的とした指標です。

そのため、この指標はステーブルコインの実需に近い利用状況を把握しやすいとされる一方、補正ロジックに基づく推計指標である点には留意が必要とされています。

供給規模では依然USDTが優位

もっとも、ステーブルコイン市場全体の勢力図が直ちに逆転したわけではありません。

時価総額ベースでは依然としてUSDTが大きくリードしており、供給量は約1,800億ドル規模に達しています。一方、USDCの供給量は約800億ドル前後と、規模面ではUSDTとの差が残っています。

つまり、供給規模ではUSDTが優位を維持する一方、調整済み取引量ではUSDCが優勢という構図になっており、ステーブルコイン市場の競争軸が変化しつつある可能性が示されています。

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みずほ証券、Circle株目標を120ドルに引き上げ

こうした利用動向を受け、みずほ証券はCircleの目標株価を100ドルから120ドルへ引き上げました。

アナリストは、USDCの取引量拡大に加え、予測市場「Polymarket」での採用や、AIエージェントが自律的に取引を行う「エージェント型コマース」など、新たなユースケースの広がりを評価材料として挙げています。

また、米投資銀行BernsteinもCircleに対して強気の見方を示しており、ステーブルコインの採用拡大やAIによるマイクロペイメントの需要を背景に、同社株の目標株価を190ドルとするレポートを公表しています。

Circleは2025年6月に米株式市場へ上場して以降、ステーブルコイン市場の成長期待を背景に投資家の注目を集めています。

ステーブルコイン競争、実利用が新たな焦点に

これまでステーブルコイン市場では、供給量や時価総額の規模が競争力の指標として重視されてきました。しかし今回のデータは、市場の評価軸が「発行規模」だけでなく、実際の経済圏でどれだけ利用されているかという側面へ広がりつつある可能性を示しています。

2025年には米国でステーブルコイン規制法「ジーニアス法案」が成立し、規制環境の整備も進み始めています。こうした制度整備の進展とともに、決済、DeFi、予測市場、AIエージェントといった新たな分野での利用拡大が、今後のステーブルコイン市場の勢力図を左右する重要な要素となりそうです。

参考元:bitcoin.com
画像:shutterstock

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