ドナルド・トランプ米大統領とその家族が支援する分散型金融プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」は、大口投資家に対してプロジェクトチームへの直接アクセスを認める優遇措置を、99%を超える賛成多数で可決しました。
この動きは、同じくトランプ氏に関連するミームコイン「TRUMPトークン」が保有量に応じて政治的な接点を提供した事例に続くもので、暗号資産と政治の関係性において新たな議論を呼んでいます。
トランプ大統領、ミームコイン「TRUMPトークン」保有者を対象に昼食会へ招待
530万ドルで経営陣へのアクセス権
2026年3月12日に終了したガバナンス投票の結果、WLFIは新たな3層構造のフレームワークを導入します。
この中で最も注目されるのがスーパーノード層です。
5000万WLFIトークン(現在の価格で約8億円相当)を最低180日間ロックアップした投資家は、WLFIのビジネス開発チームや経営陣との提携協議に向けた確約付きのアクセス権を得ることができます
また、1000万WLFIを保有するノード層には、プロジェクトが発行予定のステーブルコインUSD1を他のステーブルコインと1対1で相対取引できる権利が付与されます。
プロジェクト側は、この仕組みについてエコシステムを積極的に支援する参加者を優先するための設計と説明しています。
一方で、投資額に応じて影響力やビジネス機会へのアクセスが与えられる構造は、実質的にアクセスの販売とも捉えられます。民主党議員からは腐敗や国家安全保障への懸念を指摘する声も上がっています。
今後の焦点
今回のガバナンス改革は3段階で実施される予定です。まず全保有者向けのステーキング機能が導入され、その後ノード層、最後にスーパーノード層が順次有効化されます。
トランプ氏関連のプロジェクトでは、TRUMPトークンの上位保有者を対象としたイベントが企画されるなど、トークン保有量と政治的・商業的な接点を結びつける動きが広がっています。WLFIの今回の取り組みも、この流れを一段と加速させる可能性があります。
また、この仕組みはトークンを単なる資産ではなく、アクセス価値を持つ権利として再定義する試みとも言えます。今後はトークン価格が需給だけでなく、こうした付加価値によって評価される展開も想定されます。
プロジェクト側は、アクセスはあくまでビジネス開発チームに限られると説明していますが、資金力によって発言機会が左右される構造は、分散化を掲げるDeFiの理念と緊張関係にあります。
WLFIの取り組みが市場に受け入れられるのか、それとも批判を強めるのか。暗号資産と政治、そして資本の関係性が問われる局面に入りつつあります。
参考元:reuters
画像:shutterstock