暗号資産(仮想通貨)取引所Kraken(クラーケン)は2026年3月18日、検討を進めていた新規株式公開(IPO)計画を一時停止したことが明らかになりました。計画を撤回したわけではなく、暗号資産市場やIPO市場の環境改善を見極めたうえで、再開時期を判断する方針とみられます。

今回一時停止されたIPO計画は、Krakenの親会社Payward Inc.が2025年11月にSECへ登録届出書(Form S-1)の草案を機密提出したものになります。関係者によると、その後の市場環境の悪化を受け、現在は上場プロセスを停止しているとされています。

Krakenの広報担当者も、「11月に発表した通り、SECに機密提出を行いました。それ以上共有できることはありません」とコメントしています。

仮想通貨IPO市場、2026年は失速

背景には、暗号資産価格の下落や取引量の減少に伴う投資家心理の悪化があります。
2025年後半には暗号資産関連企業のIPOが相次ぎましたが、2026年に入ってからは新規上場銘柄の株価が軟調に推移しており、上場タイミングを見直す動きが広がっています。

実際、2025年はCircle Internet、Bullish、Gemini Space Stationなど少なくとも11社が上場し、調達総額は146億ドルに達しました。2024年の3億1000万ドルから大きく拡大しており、暗号資産IPO市場は一時的な活況を見せていました。

しかし、2026年に上場した暗号資産企業BitGoの株価は上場以来44%下落しており、足元では新規上場に対する市場の見方が厳しくなっています。

Kraken自身も、2025年11月18日にCitadel Securitiesからの2億ドルを含む総額8億ドルの資金調達を完了していました。これにより企業評価額は200億ドルに達し、当時は大型IPO候補として注目を集めていました。

上場機運は後退も、再始動への余地残る

もっとも、暗号資産業界全体で上場機運が完全に失われたわけではありません。
BlackRockと提携するトークン化企業SecuritizeのCarlos Domingo CEOは、市場環境に左右されずトークン化需要は強いとして、第2四半期のIPO方針を維持しています。

Krakenも、今年3月に暗号資産ネイティブ企業として初めて連邦準備銀行のマスターアカウントを取得するなど、金融インフラ面での基盤整備を進めています。

上場は一時停止となったものの、事業基盤の強化を進めながら、市場回復後の再始動をうかがう局面に入ったといえそうです。

参考元:CoinDesk
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