現在上昇中のビットコイン(BTC)相場を移動平均線のシグナルを使って説明します。
ビットコイン(BTC/JPY)週足チャート【移動平均線】
出典:bitbank (2019年8月6日現在)
テクニカル分析:移動平均線(MA) 13週、26週
BTC/JPY週足チャートです。2017年5月から始まった大相場を経て、2018年は一転して下落トレンド、2018年12月の底値を確認してトレンド転換、そして2019年は現在まで上昇トレンドとなっています。週足チャートでよく使われる移動平均線13週線(短期)26週線(長期)を表示しています。
チャートを見ると、2019年4月にゴールデンクロス(GC)が見られます。”ゴールデンクロス”は価格が下落した後に短期線が長期線を下から上に抜ける状況を指します。反対に価格が上昇したあとに短期線が長期線を上から下に抜ける状況はデッドクロス(DC)と言います。
株などの場合、移動平均線でよく使われる数値は
- 日足→短期:25日、長期:75日
- 週足→短期:13週、長期:26週
です。
数値についてはトレードスタイルや他のインジケーターとの兼ね合い、銘柄の特性などがありますので、あくまでも目安として見てください。週足チャートで見ると前回のGCは2016.10でしたので、約3年ぶりとなります。
”ゴールデンクロス”は買いサイン
ビットコイン現物取引では、2018年がずっと下落相場だったのでビットコインの買いで、”高値掴み”をしてしまった人がたくさんいます。
レバレッジ取引だと、この状態はアウト(損切り)ですが現物の場合、売り損なっている人でも、損をしたくなければ塩漬けにして価格が戻るまでじっと待てばいい、という考え方もあります。しかしチャートは高値掴みの人の「売り」が価格の上昇を抑えてしまっている状態では、なかなか上昇しません。
2018年11月、それまで低い価格で何とか横ばいを続けていたビットコイン相場に、ドスン!と音がしそうな急落が起きました。これまで我慢してきたホルダーが諦めて売ってしまい、さらに大きく価格が崩れたという現象です。こうなると”売り圧”がなくなるまで、下がるところまで下げる必要があり、それが2018年12月の底値となった可能性があります。
シンプルに考えると、”売り圧がなくなればあとは上がるだけ”。そしてGCが出現します。売りたい人がいなくなる=買いたい人が多くなる。これが上昇の起因だと考えます。
売り圧を吸収した後のチャートは強い上昇トレンドとなります。現在の価格は120万円を超えるところまで回復してきました。12月の底値の時は35万円でしたから3倍以上も価格が上昇しています。これは2017年11月の水準で大相場の半分あたりに位置します。
ゴールデンクロス・デッドクロスについて
そもそも移動平均線のシグナルはトレード的には遅く、シグナルが出現した時にはもうすでにトレンドが転換していることが多いので短期トレードには向きません。それよりも相場全体を把握するのに用いるといいと思います。
また、ゴールデンクロスが全て買いシグナルか、と言うと、必ずしもそうではありません。チャート的には、これまで長い下落トレンドが続き、なかなか上がらない横ばいを経て、雰囲気が変わった事が明確になる状況がベストです。これが先ほど述べた投資家の売り圧を全部吸収したあとの上げ相場となります。
同じGCでも下落トレンド中に急反発し、その後下げたあとのGCはまだ売り圧を吸収していないためさらに下落する可能性が高く、買いシグナルには使えません。だらだらと価格が動かずイライラした期間が長いほど、その後の上昇も大いに期待できます。
まとめ
下落トレンドと横ばい状態が長く続いたビットコイン相場が長期足において3年ぶりにGCしたという事は、今後の価格はまだまだ上昇期待ができそうです。ビットコインホルダーの方は、多少の上げ下げに惑わされず、将来を見据えて長期保有をしてはいかがでしょうか?
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