フロリダ東沖、北大西洋上のカリブ海に点在する英領バミューダ諸島が「明日の暗号通貨(仮想通貨)未来都市」として注目され始めています。スイスのツーク、地中海のマルタ島がブロックチェーンと関連仮想通貨のテクノロジー都市として台頭して1年余り、今度はバミューダがデジタル資産の将来を見据えて、新たなテクノロジー都市になることを目指しています。
バミューダのバート首相がデジタル通貨受け入れ宣言
バミューダのデビッド・バート(David Burt)首相はこのほど、バミューダ・テクノロジー・サミット(Barmuda Tech Summit)であいさつして、バミューダトライアングル(バミューダ三角地帯)として有名なこの海域は、政府への料金、サービス、税金の支払いに「米ドルと1対1交換可能なデジタル通貨(ステーブルコイン)を受け入れる」ことになると宣言しまました。同首相は、バミューダが世界的なフィンテック産業の堅固な立場を維持することになると、次のように語りました。
「テクノロジーこそ未来である。世界の6大企業の内5つの企業は、テクノロジー企業である。われわれは新しいテクノロジーを受け入れることが、バミューダ経済の将来的成長に不可欠であることを知っている。バミューダはそのため、イノベーションの促進で世界をリードすることを確かなものにしようとしている。既存の企業そして新しい企業が、バミューダでイノベーションを達成できないということは、バミューダはその機会を失うことを意味する。バミューダはイノベーションの中心にとどまり、金融サービスで有利な競争力をさらに強めていく」
金融サービス企業CircleのアレアCEOがバミューダへの進出を決定
この会議には米国などから約300人の経済人らが出席しましたが、ブロックチェーン技術に基づく金融サービス企業サークル(Circle)のジェレミー・アレア(Jeremy Allaire)最高経営責任者(CEO)は、最近バミューダに企業進出を決定した1人です。同氏はその理由を次のように語ります。
「国際的な事業を完成させるため、われわれは幅広いデジタル資産とわれわれが実現を望む展望を理解してくれる法域を見つける必要がある。バミューダは、この観点からして、他の国より一歩先行している」
「デジタル通貨の採用が主流になっている中で、イノベーションにかかわるバミューダのような国は、利益を守る立場にあり、価値の交換が情報、知識、コンテンツの交換と同程度に効率的、自由、オープンであるような世界の創造を支援している」
保険、資産管理、信託に加えて仮想通貨テクノロジーのイノベーターに
バミューダで開かれたテクノロジー・サミットでは、人工知能、リモートワーキング、ホスピタリティ産業の進歩なども議論になりました。
バミューダビジネス開発庁(BDA)のローランド・アンディ・バローズ(Roland Andy Burrows)長官は、バミューダはこれらすべての中心地となると宣言しました。同氏は「バミューダが繰り返し強調するテクノロジーに精通した現代的なビジネスアプローチは、次世代のビジネスリーダー、投資家、富裕層の目には大いにアピールする」と述べ、次のように語りました。
「バミューダは長年、その安定、質、容易なビジネス遂行などが理由で、数ある業界の中でも保険、資産管理、信託などから選択される国であった。これらの特質とともに将来を見据えたアプローチの組み合わせは、テクノロジーとイノベーター、今日われわれと共ある人たちの心を引き付けている」
参考
・Will Bermuda Be the New Crypto Center of the World?
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