- 500の官民のブロックチェーンプロジェクトが中国政府に登録
- 中国政府が主導するブロックチェーンプロジェクトの登録義務化以降、500プロジェクトが登録されていることがわかった。ブロックチェーンインフラを推進する政府の姿勢も明らかに。
官民の大手機関が登録
習近平国家主席の発言を受け、ブロックチェーンに大きな注目が集まっている中国、政府に登録されるプロジェクトの数が明らかになった。
中国サイバースペース局は1月、ブロックチェーン技術の開発を行う全てのプロジェクトを今後の監視下におくため政府に登録する事を義務化している。現在まで、官民合わせて506のプロジェクトが登録している事がわかった。
3月には197プロジェクト、10月の発表では新たに309プロジェクトが登録された事が確認された。
登録されたプロジェクトリストからは、Alibaba, Baiduなどの大手ITから裁判所まで、官民の大手機関が積極的にブロックチェーン技術を利用していく姿勢が見て取れた。金融セクター
金融セクターでは、貿易金融、資産管理、越境決済とサプライチェーンの順でユースケースが多い事が明らかになった。
著名な組織では、資産規模で世界最大手の中国商業銀行(ICBC), 保険大手のPing An Insuranceの銀行、Ping An銀行が登録していた。
ICBCは、ブロックチェーンを活用した取引の高速化に取り組んでおり、2017年には中央銀行である中国人民銀行とブロックチェーンの調査を共同で開始し、中小企業向けの金融プラットフォームも立ち上げを行なっている。
4大商業銀行の一つである中国建設銀行は、ファクタリング、輸出業者の短期売上債権との引き換えに用意する現金などの金融取引の促進にブロックチェーンを活用している。
BAT(Baidu, Alibaba,Tencent)
中国IT大手の3社「BAT(Baidu, Alibaba,Tencent)」は、それぞれブロックチェーンのクラウドサービスを提供するとしており、Web3.0を視野にブロックチェーンに取り組んでいる事が伺える。
その中でもAlibabaは、ブロックチェーン技術の特許申請件数でIBMやBank of Americaを上回る90プロジェクトを誇っている。
またTencentは、IoT開発で米Intelと提携、中国銀行とブロックチェーン金融アプリの実証実験を開始。Baiduは、「Letsdog」というCryptoKittiesに似たゲームを開発している。
中国政府機関や法律関係
また、中国政府も登録された大規模プロジェクトに関わっている事が明らかになったほか、法律面では、オンライン金融事案、オンライン著作権紛争、少額ローン契約紛争のようなインターネット関連の事案を扱う北京と広州インターネット裁判所でのブロックチェーンのプラットフォームが登録されていた。
ブロックチェーン先進国のアメリカですら大手IT企業のFacebookがLibraを発表する事に対して政府が厳しい姿勢を見せる中、中国の官民両輪でブロックチェーンを推進している姿勢は際立っている。
参考 Coindesk