バイナンス(Binance)の分散型取引所の詳細がアップデート、BNBがステーキングできる可能性について

世界最大の取引所であるバイナンス(Binance)が、現在構築中の独自ブロックチェーンと、それを利用した分散型取引所についてより詳細な情報がアップデートされました。現段階での詳細は、以下の動画とこちらのリンクが詳しいです。

バイナンスが採用するTendermintとCosmos SDK

Binance ChainおよびBinance DEXは、Tendermint(テンダーミント)とCosmos SDKを採用する予定だとしています。Cosmos SDKは、Tendermintアルゴリズム(BFT形式のDPoS)のブロックチェーンを容易に作れる開発キットです。Cosmosについてはこちらのレポートが詳しいです。

Cosmosは、このSDKを使用したブロックチェーン同士や、イーサリアム(Etheruem)など他のブロックチェーンと接続できることを目指すプロジェクトですが、バイナンスはあくまでSDKを元にブロックチェーンを作ることを発表をしており、他のブロックチェーンと接続性を得ることについて言及していないことは注意が必要です。

バイナンスが発行しているトークンであるBNBは、現在はイーサリアム上のERC20トークンですが、Binance Chainにコンバートして、ネイティブトークンとしてコンバートされる予定です。ブロックチェーンのトランザクション手数料として用いられる予定です。

また、バイナンスグループの傘下のトラスト・ウォレット(Trust Wallet)ではネイティブでこのDEXの機能が接続されることがアナウンスされています。

今後の予想、BNBトークンがステーキング出来る可能性?

重要な点は多くあり、最も気になるのはこのブロックチェーンはパーミションレスであるかどうかという点です。

バイナンスの創業者のジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng)氏は、公開質問に寄せられた「Binance Chainの検証ノード(Validator)は幾つになる予定なのか?」という質問に対して、「テストネットでは11のノードで稼働を予定している。少数のノードに限定したのは、ブロックチェーンの性能を確保するためである。ネオ(NEO)やリップル(Ripple)のような少数のノードで、ブロックチェーンの性能を上げていく予定だ」と回答しました。

ここからは筆者の予想であることを注釈しますが、Tendermintを採用し大幅な改良を加えないのであれば、ブロックチェーンのネイティブトークンになる予定のBNBトークンをステーキングして、このバリデーターノードの選定をするための投票ができるようになるはずです。

またバリデーターノードは、上場手数料や取引手数料で収入を得ることになります。現在、こうした予想を踏まえてBNBに買いが集まっています。(参考

上記の前提が全て実現されると、今まで取引手数料や上場手数料で収入を得ていた株式会社としてのバイナンスはどうなるのかという問題が浮上します。そうすると、同社の利益は、保有BNBの価値向上が主軸になるのではないかと思います。

バイナンスのチームが、度々口にする「株式会社からコミュニティへ」という文言とも合致します。執筆時点の現段階ではこれ以上の予想は不可能ですが、興味深い事例だと言えます。

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