仮想通貨保有者の60%「ビットコイン(BTC)の送金に不安」

仮想通貨のユーザーエクスペリエンスと利便性を向上させる目的で設立された The Foundation for Interwallet Operability(FIO)がこのほど、仮想通貨の保有者の動向を調査した「Blockchain Usability Report(ブロックチェーン・ユーザビリティ・レポート)」を発表した。同レポートで、約60%のユーザーが仮想通貨の送金に関して何かしらの不安を抱いていることが明らかになった。

仮想通貨の送金に関して60%以上が不安

FIOが約200人を対象に実施した調査では、「どれぐらいの頻度で仮想通貨を送金しているのか?」や「保有する通貨の種類」、「初めて手に入れたのはいつか?」などについての質問を行った。

そのなかで「仮想通貨を送金した直後の感想は?」という質問に対して仮想通貨を3年以上保有している人の40%は、「とても快適で、意図した通りのトランザクションが行われる確信がある」と回答。41%は「トランザクションは大丈夫だと思うが、進捗状況を頻繁に確認して用心している」とし、15%が「トランザクションに何らかの不具合が起きるかもしれず、多少ストレスを感じる」、残りの4%が「予定通りにトランザクションが行われるかとても心配だ」と回答していた。

上記の質問に対する仮想通貨の保有歴が3年未満の人に限定した場合、「快適」と回答したのは21%だった。残りの79%は仮想通貨の送金に関して何かしらの不安を抱いている結果となり、保有歴によって仮想通貨の送金に対する印象に多少の違いがあることが明らかになった。

手数料やウォレットも悩みの種

また「仮想通貨の取引において、経験した問題点は?」という質問には、 トランザクションの手数料と完了時間について困惑しているユーザーが多く、トランザクションの進捗状況や完了するまでの時間が推測できないといったことが悩みの種となっている傾向だった。

ユーザーからの声として、「最も大きな課題は、送信先のアドレスが正しいことを確証することだ」、「秘密鍵と公開鍵の違いをもっとシンプルにする必要がある」、「取引には問題ないが、大量のアカウントやウォレット、パスワードの管理に苦労している」といった声もあった。

同レポートは今回の調査のまとめとして、「昨年を通じてブロックチェーン業界は劇的に成長した一方で、ユーザビリティには依然として問題があり、実際の商業利用も限定的である。ブロックチェーンのトランザクションは定義上は不変であり、ユーザーはトランザクションが意図した通りになることに確信を持つべきだ」としている。

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参考
Blockchain Usability Report

文:Akihiko Hirata(@akkyhira

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