ホリエモン主宰の『ゼロ高』、初めての入学式を開催【イベントレポート】

ホリエモンこと堀江貴文氏が主宰するゼロ高等学院の初めての入学式が2019年4月5日に開催された。


「ゼロ高等学院」は、2018年10月に開校した堀江貴文氏が主宰者となり、座学よりも“行動”できる人材育成を目指す高校。本記事では、当入学式で登壇された堀江 貴文氏、坪田 信貴氏、堀 潤氏、内藤 賢司氏によるスピーチや登壇内容のレポートを中心にお届けする。

開式の辞


まず最初に、内藤学校長からの式辞から始まった。

「在校生含め、89名になりました。入学してくれてありがとう。
これから入学してくれる人たちに言いたいのは、「道は必ず見つかる」ということ。

色々な経験をし、色々な人に出会ってほしい。ゼロ高とは、自律するための場所。
自律とは、お金から自由になることだ。大切なのは、行動、仲間、ファンの3つ。
どれだけ悩んでも考えても行動からしか状況は変わらない。行動することで変化が生まれる。
その行動は窓拭き、トイレ掃除、起業、就職、なんでもいいから、とにかく行動すること。

自分ひとりではたどり着けない道でも、仲間がいればたどり着ける場所がある。

愛してくれる人が誰もいなければ、自律は難しい。
逆に、愛してくれる人、つまりファンがいれば、必ず自律はできる。

この3つがあれば、必ず自律ができるはず。
自分の人生に挑戦してほしい。その行動が、世界の誰かの勇気につながり、誰かの光につながってほしいと願っている。」

ゼロ高テーマ曲紹介 児島響作曲「HOPE」

続いて、ゼロ高に在学しながらオーストリア・ウィーンの音楽大学に留学している、児島響氏によるテーマ曲が紹介された。彼もTwitterで本入学式のライブ配信をウィーンでリアルタイムで参加しているとのこと。

「伝え人になるワークショップ」堀潤氏


6年前までNHKでキャスターを務めていた堀潤氏によるワークショップ。
大きな放送局にいると、自分の伝えたいことを伝えられない葛藤を感じ、フリーに転身したという。

シリア難民の現場や、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に行き取材をしてきた様子を映像を交えながら説明。堀氏は、いわゆる軍人や政治家でもない市民も暮らしている街の様子を映してくれた。日本にいると、北朝鮮は孤立した国でメディアによって作られた街として感じられるが、実際に行ってみるとどんな場所なのかを入学生に伝えてくれた。最後に、情報を伝えるための3つのスキルの紹介があった。

1)自分のことを伝える時に、「大きな主語<小さな主語」で話してほしい。
例えば一「被災地」と言っても定義が広すぎて、どこまでを指すのか曖昧。明確な言葉(主語)で語るようにしよう。

2)オピニオン < ファクト
間違った事実を前にして意見を言うことは危うい。これは事実なのかどうなのかを常に想像してほしい。
事実として報道されていることも、誰かの意見ではないか?と疑うこと。

3)言葉の因数分解
水の入ったペットボトルを手にとり、振りながら「今どんな状況?」と入学生に問いかけた。濁っていたり、泡が立っていたりと言葉は複雑なものを一言で伝えることができる。
ただ、そのイメージを一度分解して考えるようにしてほしい。「平和とは?」と問われたときに、みんなどういう状況をイメージするのか。
「笑顔でいられること」「自由でいること」など、人によって平和の定義は異なる。自分の思い込みが誰かを傷つけることもあるんだと知ってほしい。
当たり前のように使っている言葉を一度分解してみよう。

最後に「ゼロ高では顧問をしているので、いつでも相談してほしい。学校生活が充実するように祈っています。」と締めくくった。

「学校のこれからについて対談」堀江氏×坪田氏×内藤氏


堀江氏×坪田氏×内藤氏の3名による対談があった。

堀江氏は、「自分が嫌な教育を受けてきて、教育に対してネガティブなイメージを持っている。教育に関して質問を受けることが多いので、保護者の方に対して、スマホだけ与えて放っておけば?という答えを用意していた。あと、お金だけは使ってあげなさい。あなたは見返りを求めないスポンサーだと。」

次に、クラウドファンディングの有効性について語った。

坪田氏「いいものをやろうと思ったら、言い訳できない世の中になっている。」
堀江氏「クラウドファンディングでお金が集まらないプロダクトは世に出ても失敗する。」

そしてゼロ高の入学生に対して堀江氏は、新しいことにチャレンジしても、大人と違って無敵な状態だと表現した。
堀江氏が高校生の頃は、今のようなSNSのつながりもなければクラウドファンディングもなかったと言う。
「今は情報もあって、お金も集めらる時代にいる。最低限の知識と教養さえ身に着ければ、あとは自由で何をやってもいいんだから。」

さらに堀江氏はメディアについて意見を述べた。堀江氏は、自分の投稿にクレームをつけられて炎上されるのを利用していると言う。結果としてインスタの炎上で1万人くらいフォロワーが増えたそうだ。
「テレビはアンプに過ぎない。1秒も出演しなくても、僕は露出される。」と。

堀江氏はSNSの影響についても話した。
「30年前の入社式と現在の入社式を比較すると、昔はみんな自由な服装だったのに対し、今は黒いスーツでみんな同じ髪型。
SNSの影響で隣の人にどう思われるか気になってしまうのが原因だと思う。SNSは陰口の価値化、文字化に過ぎない。
他人とできるだけ違わないことをしようと思う行動が、画一化に向かってしまっている。もっと人に嫌われる勇気を持ちなさい。
集団生活は必須ではないし、他人に合わせなくていい。小学校から義務教育で同じ場所で同じ人とずっと同じ教育を受けることは異常だ。合わない人と無理して行動を共にする必要はない。」

と、堀江氏らしい持論を語ってくれた。

最後に、ゼロ高の顧問について触れた。
「ゼロ高の顧問はそうそうたる顔ぶれだから、上手に使ってほしい。
面白いことをやっていたら、どんどんそういう人とつながっていくもの。」

ゼロ高入学式 登壇者

堀江 貴文
実業家。株式会社ライブドア元代表取締役CEO、SNS media&consulting株式会社ファウンダー。東京大学在学中の1996年、23歳のときに、インターネット関連会社の有限会社オン・ザ・エッジ(後の株式会社ライブドア)を起業。2000年東証マザーズ上場。現在はロケットエンジンの開発や、グルメアプリ「テリヤキ」、コミュニケーションアプリ「755」のプロデュース、また予防医療普及協会として活動するなど幅広く活躍。

坪田 信貴
坪田塾塾長。これまでに1300人以上の子どもたちを“子別”指導し、心理学を駆使した学習法を展開。多くの生徒の偏差値を短期間で上げてきた。起業家・経営者としても活躍する傍ら、多数の企業でマネージャー研修や新人研修を行う。TV・ラジオ・講演会でも活躍中。著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』は120万部超のベストセラーに。

堀 潤
ジャーナリスト。2001年NHK入局。「ニュースウォッチ9」リポーター、「Bizスポ」キャスター、「ニッポンのジレンマ」初代MC。2012年、米国ロサンゼルスのUCLAで客員研究員、日米の原発メルトダウン事故を追ったドキュメンタリー映画「変身 Metamorphosis」を制作(京都国際インディーズ映画祭特別賞)。2013年、NHKを退局しNPO法人「8bitNews」代表に。2017年、株式会社「GARDEN」設立。個人やNGO /NPOなどの発信支援のメディアを運営

内藤 賢司
ゼロ高等学院 代表。教育とITの架け橋を生業としていた。ウェブサービスの企画立案、 大規模プロジェクト統括から実装までこなすオールラウンダー。 長男から「なぜ働くのか?」という残酷な質問への回答に困窮した結果、ゼロ高で、若者が命を落とすことなく、そのままで笑顔で生きられる世界をつくることを決める。週末は渋谷区のお父さんお母さんと社会活動をしている。 が、 パワフルなお母さんたちから、 もう少し働けと怒られている。 サッカーとお寺と川が好き。 著書に『Webエンジニアの教科書』がある

SNS education株式会社のプレスリリースより抜粋

「ゼロ高等学院」とは?


ホリエモンこと堀江貴文主宰のゼロ高等学院。やるべきことが決まってしまっている既存の学校とは違い、座学を目的とせず、行動を目的とする高等学院だ。
高校卒業のための学習計画をつくるところからはじまり、自分は何を体験したいのか、人生はなんのためにあるのか、生きる本質を考えることからはじまる。
教育提携先との連携により、高校卒業資格を取得することも可能だ。
2018年10月に開校し、2019年2月現在 50名 の生徒が在籍。2019年4月の新入学生の受け入れは30名予定。

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