リップル(Ripple)は、製品の採用を進めるためベストを尽くしてきました。中でもxCurrentとxRapidはよく知られており、国際決済手段として広く採用され始めています。さらに世界銀行が最近、分散型台帳技術(DLT)を取り上げて、xRapidは国際決済を変革するテクノロジーと称賛しました。
分散型台帳技術(DLT)は国際決済を変革する
世界銀行の金融部門上級スペシャリストであるマルコ・ニコリ(Marco Nicoli)氏は「(伝統的な決済システムの)欠陥によって、国際決済業界は崩壊と改革の機が熟している」として、次のように述べています。「一部の人たちは、分散型台帳技術(DLT)が業界全体を変革する可能性を持っているとの見方をしている。事実、伝統的には分裂・分断(fragmentation)と不透明(opacity)との言葉によって特徴づけられてきたB2Bの国際決済は、DLTが成功裏に実装される潜在的なユースケースになる」。
DLTソリューションは、コルレス銀行による中継業務関係を必要とせずに、サービスプロバイダーが送金を可能にすることによって、伝統的な送金方法の問題を回避することができます。xRapidによるソリューションは、コストを削減するとともに秒単位のスピードによる取引(トランザクション)ができるようになります。
国際送金は発展途上国民にとって極めて重要
世界銀行は併せて、リップル(XRP)とxRapidが「大量採用に向けて一歩近づいた」と表現して評価しています。それ以外にも、XRPはMicrosoft OutlookやGmail、ウーコマース(WooCommerce)などと統合したというニュースも注目されます。
リップルは、世界の銀行や金融機関が数十年利用してきた伝統的な決済システムである国際銀行間通信協会(SWIFT)を引き継ぐことができるソリューションの開発に懸命に努力しています。そのソリューションがxRapidやxCurrentです。
世界銀行のブログに掲載(2019年3月26日)された記事は、国連のUNESCO傘下の機構「The Better Than Cash Alliance」の研究&社会政策アナリストであるロドリゴ・メヒア・リカルト(Rodrigo Mejia-Ricart)氏とマルコ・ニコリ氏との共著です。
このレポートでは、国際送金が発展途上国民にとって極めて重要な手段であることを強調しています。個人が海外で働き、家族に送金する例は、フィリピンではGDPの10.5%、ネパールは28.3%など、2017年の世界の送金額は6,133億ドル(約67兆4,630億円)という莫大な額になります。
新たな国際決済手段目指して激しい競争続く
伝統的なB2B国際決済は、SWIFTの行き詰まりでも分かるように時間がかかり、不透明であると、本レポートは指摘しています。リップルは2018年、送金額が多い米国とメキシコ間の送金にDLTベースの国際決済ソリューションであるxRapidを利用してテストしました。このテストに参加した金融機関は、外貨為替のコストを40-70%節減する成果を上げました。伝統的な国際送金は、数日かかるのに対し、平均的決済時間は2分ほどでした。
リップルのほかにも競争者があります。ブロックチェーン・スタートアップ企業のサークル(Circle)が、同様のサークル・ペイ(Circle Pay)サービスを開始、現在手数料ゼロで29カ国が利用できます。苦境にあるSWIFTも国際送金のイノベーションを図り、グローバル・ペイメント・イノベーション(GPI)を17年に立ち上げましたが、決済時間は1日から数分までブレがあります。JPモルガンは2月14日、独自の国際送金ができるJPMコイン(JPM coin)の発売を発表しました。
リップルは新しい国際決済の手段として一歩進んでいますが、結果はまだはっきりとは見えていません。
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