バイナンス(Binance)は、仮想通貨において非常に大きな影響力を持つ仮想通貨取引所だ。そして、仮想通貨取引所の中でも先進的な取り組みを次々と発表している。そして、ステーブルコインの取り扱いについてもバイナンスが保有しているステーブルコインの量は世界でもトップクラスであり、BNB(バイナンスコイン)によってステーブルコインとの等価交換も可能になりつつある状況だ。
そのうえでバイナンスは、自社のステーブルコインの枠組みを大きく変化させた。
バイナンス(Binance)による新通貨の追加と名称の変更
バイナンス(Binance)は、Paxos Standard Token(PAX)を新規上場通貨として、バイナンスの取引フォームに加えることを発表した。
その前段階として11月26日、バイナンスは今までUSDT市場と表記していた取扱フォームをステーブルコイン市場(USDⓈ)と改めた。この理由としては、テザー(USDT/Tether)だけでなく、PAXやUSDCなどステーブルコインが台頭してきたことに加え、テザーの信頼度が市場から著しく低下したことが考えられる。
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テザーのシェア率は仮想通貨市場において現在でも高い。それは、他のステーブルコインの購入を行える取引所が限られている事が挙げられる。テザーの発表から現在まで、テザー以上に広まったステーブルコインがなかったためにこういった偏りが起きたとも考えられる。
しかし現在、アメリカドルと等価となるステーブルコインは他にも多数登場しており、特にUSDCに対する仮想通貨市場の期待は高く、テザーの立ち位置にかわる安定性を有していると言えるだろう。テザーも同社にかけられた相場操縦の疑惑を早期に解決できなかったことが、市場からの失望を招いた結果となった。
ステーブルコインは、決められた通貨や物質にペッグされる仮想通貨だ。期待されている役割として、市場の状況に左右されない安定した価値を保つこと、一般の人々に対する仮想通貨市場参入のハードルを引き下げることにある。その為、ステーブルコインの取り扱いに対してバイナンスも広く受け入れている状態だと言えるだろう。
PAXの取り扱いを追加、6種の通貨ペアをリスト
11月29日から、バイナンス(Binance)はPaxos Standard Token(PAX)をプラットフォームに加えた。そして、通貨ペアとしては、6つの仮想通貨を使用することが出来る。取り扱っている通貨ペアは、バイナンスコイン(BNB)、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、イオス(EOS)、ステラ(XLM)だ。同社の独自トークンであるBNBが使用出来るのも大きな特徴の1つとなっている。
PAXは2012年には開発がスタートしている。規制された信託会社から発行され、ニューヨーク州金融サービス局の発行承認を受けたステーブルコインである。
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ステーブルコインは安定した市場へ
法定通貨の価値が下落したとしても、ステーブルコインの価値は一定のままであり、いつでも仮想通貨から法定通貨、法定通貨から仮想通貨という変換が可能となる。そのうえで、ステーブルコインの発行に対する競争は激化している。
現在は、アメリカドルとペッグしたステーブルコインが多いものの、種類は増加し続けている。ステーブルコインの通貨ペアは今後も将来的に増加し続ける可能性が高い。また、アメリカドルと等価となるステーブルコインを扱えている点から言えば、技術的に法定通貨を取り扱うこと自体は難しくはないだろう。バイナンスのプラットフォームで、様々な法定通貨によってステーブルコインを購入できるという未来も予想できる。
ステーブルコインは、CDBC(中央銀行が発行を検討しているデジタル通貨)のように、政府や国から保証を受けたものではない。あくまでも仮想通貨の価値として安定しやすいものだという認識となる。つまり、ステーブルコインは市場を形成できるほど、取引が増加していく可能性を有しつつも、場合によってはペッグした法定通貨と乖離をおこすこともあり得る。今後の動向を注意深く見守っていこう。
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参考
・Binance
・Binance Medium