マイニングとは?儲かるの?ブロックチェーンへの記録と新規発行の仕組みを解説

(文:Maki@仮想通貨ママコイナー

ビットコイン(BTC)やライトコイン(LTC)といった仮想通貨は、特定の誰かが管理をしていたり、行われた取引を特定の誰かがチェックしているわけではありません。これだと好き放題不正な取引もできるのでは?という不安があると思います。それを防ぎながら、有志による取引のチェックを効率良く行うのが「マイニング」という方法です。

今回は、仮想通貨がもらえる!?というマイニングの詳しい仕組み、どうして仮想通貨にはマイニングが必要なのか?など、マイニングについて解説していきます。

マイニングとは?仮想通貨の仕組みを支える2つの役割

ビットコイン&ゴールドイメージ

仮想通貨やブロックチェーンについて知る上で欠かせないのが「マイニング」です。マイニング(Mining)とは、日本語で「採掘」という意味。ビットコインのような仮想通貨の新規発行を行うため、採掘という言葉が使われています。

なぜマイニングが行われるかというと、大きく分けて2つの役割があります。

  1. 取引の承認
  2. 新規発行

では、それぞれの役割について、ビットコインを例に出して見てみましょう。

ビットコイン(BTC)のマイニング~取引の承認~

ブロックチェーンイメージ

ビットコインは、今や世界中で使われている代表的な仮想通貨です。発行される上限枚数が決まっていて、その数は2,100万枚。全世界でトータル2,100万枚なので、みんながビットコインを手に入れようとすると需要が高まり、一気に価格が吊り上げられる可能性があります。

この急騰を防ぐために、ビットコインは一定のスピードで「マイニング」が行われるように設定されています。そして、ビットコインを使った取引を行ったとき、その取引で不正なことがなかったかどうかを確認する必要があります。

一般的な送金のように、銀行を介した取引が行われた場合には仲介になっている銀行が取引の監視・チェックを行っていますが、仲介役のいないビットコインは、誰かがその監視役をしなくてはなりません。そうでないと、不正な取引を承認してしまえ!というふうに好き勝手し放題、犯罪にも利用し放題だからです。

ビットコインチェーン

ビットコインの場合、有志(第三者)による取引のチェックが行われたのちに承認される仕組みです。取引の承認とは、そのトランザクション(取引データ)をブロックに詰め込む作業のことで、これがブロックチェーンとして記録されていくデータになるということです。

有志の方々がいるおかげで、ビットコインは日々の取引を不正なく、ブロックチェーンに納めることができるんですね。ありがたいことですが、取引を日々チェックしてくれるこの有志の人たちには、何かメリットはあるのでしょうか?

それがマイニングのもうひとつの役割、トークンの新規発行です。

ビットコインのマイニング~新規発行~

ビットコインは有志の人たちの協力があるおかげで、不正な取引は承認されず、正しく行われた取引はきちんとブロックに格納され、ブロックチェーンの一部としてどんどん記録されていくことが分かりました。

ビットコインの場合、取引の合意方法(コンセンサスアルゴリズム)として「Proof of Work(プルーフオブワーク)」という方法がとられています。

Work=計算量(仕事量)のことで、世界中にたくさんいる有志の人がコンピューターを使って計算を行い、自分が取引を承認するんだ!と競争をしている状態になっています。

ビットコイン計算

承認作業を行ってくれる人たちは、どうしてこんな面倒なことを行っているのでしょうか?それは、承認作業の見返りとして「報酬」がもらえるからです。取引の承認を正しく行うことで、その人には新しく発行されたビットコインが報酬とし贈られることになっています。

これが、マイニング(採掘)の一連の工程です。マイニングを行う有志の人のことを「マイナー」と呼びますが、マイナーはブロック生成作業を行うことで報酬のビットコインをもらうことができ、私たちは行った取引をきちんと記録してもらうことができる、win-winな関係にあるということです。

マイニングによるすさまじい「電気代」

計算イメージ

仮想通貨のマイニングについて、ネットニュースで取り上げられる機会も多くなってきましたね。その中でよく見かけるのが「電気代」についてです。どうしてマイニングで電気代が問題になるのでしょうか?

先ほどお話ししましたビットコインのマイニングは、Proof of Work(プルーフオブワーク)という方法で取引の合意を行うものです。少し触れましたが、このWorkが示す「仕事」とはコンピューターの計算量。計算競争を勝ち抜いたマイナーが、報酬のビットコインを獲得できるということですね。

マイニングにおけるコンピューターの計算とは、私たちが普段使っているパソコンやスマホでの計算よりもはるかに大変なもので、コンピューターが熱を持って発火してしまったという事例もあるほどです。

燃えるBTC

つまり、それだけコンピューターがフル稼働するため、電気代も当然高くなってしまうということです。

海外では、マイニングにかかる電力を節約しようと他所様から電力を拝借してバレてしまったという事件もありました。日本でも自宅でマイニングを行うことは可能ですが、このように電気代が高額になってしまうリスクがあるということを知っておいてくださいね。

マイニングウイルスで裁判

サイバーイメージ

マイニング関連のニュースといえばもうひとつ話題になったものとして、「マイニングウイルス」があります。専用のコードが埋め込まれたサイトを閲覧すると、閲覧者のコンピューターのCPUパワーを使ってマイニングが行われるというもので、閲覧者の意図せぬところでマイニングが開始されること、さらにコンピューターの動作が遅くなるといった点が問題になり、裁判まで行われることになりました。

「Coinhive(コインハイブ)」と呼ばれるプログラムは、裁判では「ウイルスには該当しない」という判決が下され、多くのメディアで取り上げられる一件となりました。

自分でマイニングは難しい?

BTCのイメージ

マイニング=報酬を得ることができるという図式は広く知られてきたことから、自分でもマイニングをやってみたい!という方も多いようです。

しかし、前述しましたようにビットコインの場合は2,100万枚と発行枚数が決まっており、そのうちの1,700万枚強がすでに発行されています。(2019年4月20日現在)

より競争は激しくなりますし、さらにコインの発行枚数をゆるやかにする半減期が2020年5月(予定)にやってくることもあり、これからマイニングに参加して収益をあげることは難しいとされています。

また、マイニングに利用する機材はかなり高額ですし、冷却を行う装置、部屋の広さといったコストも大変かかることが知られています。

実際、マイニング事業に参入した大手企業は赤字になっていることからも、相場が低迷している今マイニングはかなり難しいことがわかりますね。ただ、マイニングができる仮想通貨はビットコインだけではありません。

さまざまな通貨

特別な機材を必要としない種類の仮想通貨もありますし、マイニングではない方法でトークンの新規発行を行う方法もあります。

また、機材を揃えて組み立てたり、機材があってもどうやってマイニングを始めれば良いのかいろいろと事前に調べておかなくてはならないことがたくさんあります。そういった手間を省き、もっと手軽にマイニングに参加する「クラウドマイニング」という方法も登場しています。

クラウドマイニングとは?

クラウドイメージ

クラウドマイニングとは、マイニングを行っている団体に投資をして、得られたマイニング報酬を株の配当のように受け取るというもの。自分でマイニング機材を用意する必要がありませんし、マイニングを始めるにあたって必要な知識も不要。(知っておいて損はありませんが…!)

高額な機材を用意することなく気軽にマイニングを始めることができ、さらにマイニングにかかる電気代を支払う必要もないので初心者におススメと言われています。ただし、クラウドマイニングを行っている企業が倒産したり、詐欺に遭うといったリスクがあることも頭に入れておきましょう。

団体で行うマイニングプール

システムイメージ

団体でマイニングを行う「マイニングプール」という方法もあります。クラウドマイニングとの違いは、マイニング用の機材が必要ということ。つまりマイニングプールはチーム戦で、計算力(ハッシュパワー)を高めながら協力してマイニング報酬を獲得しよう、というものです。

仮想通貨はトークンの発行ペースを安定させるために、採掘難易度(ディフィカルティ)が上がることがありますが、そのときには他の仮想通貨にシフトすることも可能です。機材を用意する費用がかかること、さらに月々の電気代がかかることや、自身でどのマイニングプールに参加するかといった知識を持っておく必要もありますが、自分でどの仮想通貨のマイニングを行うか選ぶことができるなど自由度が高いのも魅力です。

マイニングの概要まとめ

ビットコイン&紙幣

マイニング(採掘)とは、ブロックチェーンに取引の記録を残す作業をし、その見返りとして新しく発行されたトークンをもらうことです。マイニングを行うマイナーがいるからこそ、ビットコインは銀行のように特定の誰かが管理せずとも、常に正しい取引を記録してその信頼性・整合性を高めています。

トークンの新規発行はマイニング以外の方法にもありますが、まず第一にあげられるビットコインをはじめ、ライトコインや国産コインのモナコイン(MONA)といった主要アルトコインもプルーフ・オブ・ワークというコンセンサスアルゴリズムのもと、日々マイニングが行われています。

マイニングの難易度調整や、得られる報酬が半分になる半減期など、マイニングに関連する事柄も多くありますので、こういう意味だったのかとぜひ注視してみてくださいね。

仮想通貨の始め方コラムまとめ

  1. ブロックチェーンとは?分散型台帳との違いなども解説
  2. ハードフォークとは?
  3. PoWとPoSとは?
  4. STO(セキュリティ・トークン・オファリング)とは?
  5. 証券トークン(セキュリティトークン)とは?
  6. セグウィット(Segwit)とは?
  7. ライトニングネットワークとは?
  8. PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)とは?
  9. PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)とは?
  10. 仮想通貨で海外送金するメリットとは?
  11. ビットコインの使い道は?
  12. マイニングとは?

筆者も講師陣として活動をしている有料プライベートグループ「Cryptolabo(クリプトラボ)」では、初心者・中級者~ともに仮想通貨トレーダーとして幅広く知見を広げられるよう随時ボイスチャット・情報配信等を行っています。ぜひご活用ください。

▼Cryptolabo
https://www.izizlabo.net/

おすすめの記事