ビットコイン(BTC)が200万円台を記録してから1年が経ち、11月に入りその価格はピーク時に比べ80%近くも下落している。そんな中、アメリカのカリフォルニア州にあるサンタクララ大学の教授であるアトゥルヤ・サリン氏(Atulya Sarin)が、ビットコイン(BTC)の価値がなくなりつつあるとの見解を示した。
マイニングコストがビットコイン(BTC)価格のカギ
ファイナンスを専門とするサリン氏の見解は12月3日、金融情報メディアのマーケットウォッチ(MarketWatch)で「無価値なりつつあるビットコイン(Bitcoin is close to becoming worthless)」というタイトルのコラムを公開。
サリン氏は、「サポートレベルの6,000ドルを大きく割り込んだ今、多くの人がこれから価格がどう動くのか知りたがっていることだろう。その答えは、急激に痛みを伴ってゼロになる」 と断言している。
その理由として自身が今年4月に寄稿し同様の意見を記したコラムを挙げ、「ビットコインの価格がマイニングコストを下回ると、マイニングの低下を引き起こし、ビットコインは死のスパイラルに陥ることになる。誰がどれだけ所有しているのか記録する分散台帳を支えるマイナーの活動が無ければ、ビットコインは無価値になる」と説明した。
またサリン氏は、マイニングコストはアルゴリズム的に減少するが、ビットコインの価格の下落と同程度に減少するとは限らず、このままビットコインの価格が下落を続け、それに呼応する形でマイニングコストが減少しない限り、ビットコインの価値はすぐにゼロになると推測している。
仮想通貨には可能性ありか?
サリン氏はデジタルゴールドと称されているビットコインと金の関係について、「(ビットコインは)価値が需要や将来性によって価値が上昇する金に近いと言える」としながらも、「金は恐らく歴史的な出来事により、価値を保存するものとして広く受け入れられている。しかしビットコインは価値保存機能があるデジタル資産として世界的に受け入れられているわけではない」としている。
ビットコインに投資を行ってきた人々にとって衝撃的なサリン氏の予測だが、仮想通貨全体の未来について言及しているものではない。同氏は、「改良されたコインが発展していくかもしれないし、政府が仮想通貨を発行し始めることもあるだろう。歴史にはイノベーティブな企業が倒産した例で溢れており、後追いの企業が最高の投資先になることもある」と仮想通貨自体には可能性があることを示唆した。
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参考
・MarketWatch