【米国規制に暗雲】仮想通貨法案の審議が延期、市場はどうなる?
この記事の結論
2026年1月、米上院銀行委員会は暗号資産の規制枠組み(市場構造を含む)を定める法案の審議・公聴会を延期しました。背景には業界内の意見対立があり、特にコインベースCEOが現行案への支持を撤回したことが影響しています。法案は修正協議が続く見通しです。
3つの重要ポイント
1.仮想通貨法案の審議延期は「撤回」ではなく調整段階
米上院銀行委員会は暗号資産の規制枠組みを定める法案の審議・公聴会を延期しましたが、法案自体が廃案になったわけではありません。業界・金融界・与野党との協議を継続し、内容修正を前提とした調整期間に入ったと位置づけられています。
2.延期の背景には業界と規制側の利害対立がある
コインベースCEOが現行案への支持を撤回したように、トークン分類の考え方やCFTCの権限、ステーブルコイン利息の扱いなどを巡って意見が割れています。特に「どこまで規制するか」という線引きが一致しておらず、それが審議延期の大きな要因となっています。
3.短期的な不透明感と中長期の制度整備期待が併存
審議延期により短期的には規制の先行き不透明感が残りますが、一方で明確なルールが整えば機関投資家の参入や市場の安定につながる可能性もあります。延期はネガティブ材料だけでなく、制度の完成度を高めるプロセスとも捉えられます。
仮想通貨法案の審議が延期された理由
法案の方向性自体は維持されつつも、内容面での調整が必要と判断されました。
米上院銀行委員会は、暗号資産に関する包括的な規制枠組みを定める法案について、2026年1月の公聴会および審議日程を延期しました。
委員会を率いるティム・スコット委員長は、「業界、金融界、与野党との協議を引き続き行う」と説明しています。
延期は法案の撤回を意味するものではなく、内容修正を前提とした調整期間と位置付けられています。
コインベースCEOの反対が与えた影響
業界最大手の支持撤回が、審議延期の象徴的な引き金となりました。
米最大級の暗号資産取引所Coinbaseのブライアン・アームストロングCEOは、X(旧Twitter)で現行草案について「この内容では支持できない」
と明言しました。
反対理由として挙げられている主な点は以下の通りです。
- 株式トークン化を事実上制限する構造
- CFTC(米商品先物取引委員会)の権限が不十分
- ステーブルコイン保有に伴う利息(報酬)の禁止案
これにより、法案が業界の実態に合致していないとの見方が強まりました。
法案の中身|何を規制しようとしているのか
法案の核心は「トークンの分類」と「監督権限の明確化」です。
本法案は、暗号資産市場全体の枠組みを整理することを目的としており、主に次の点が柱とされています。
トークン分類の考え方
- 証券に該当:SEC(証券取引委員会)が監督、開示義務が強化
- コモディティに該当:CFTCが現物市場を含めて監督
- 決済・ステーブルコイン系:別枠での取り扱いを想定
取引所・仲介業者への影響
- 登録義務や内部管理体制の明確化
- 顧客資産の分別管理ルール強化
- DeFiやDEXは現時点ではグレー領域が残る
「誰が、何を、どの法律で監督するのか」を明確にする点が最大の狙いです。
ステーブルコイン利息禁止が意味するもの
単なる保有利回りモデルは制限される可能性が高いです。
法案では、ステーブルコインを保有するだけで利息が付く仕組みを原則禁止しつつ、『送金』『ロイヤルティ』『行為ベースの報酬』については例外的に認める構成が検討されています。
これは、CeFi/DeFiの「利回り提供型サービス」に影響を与える可能性があり、EUのMiCA規制よりも踏み込んだ内容になる可能性があります。
協議は継続中、ただし再開時期は未定
法案は止まっていないが、スケジュールは流動的となっています。
CoinPostなどの報道では、議員・業界・金融機関との調整は継続しているとされています。
一方で、審議再開や採決の具体的な日程は示されていません。
これは政治的対立だけでなく、技術・金融両面での影響範囲が広いためです。
市場への影響は?
短期は不透明感が広がる一方、中長期では制度整備への期待が残ります。
短期:様子見姿勢が強まりやすい
審議延期により規制の先行きが不透明となり、米国関連銘柄を中心に取引が手控えられやすい状況です。新規資金の流入は鈍化し、価格は方向感を欠きやすくなります。
中長期:明確なルールが追い風になる可能性
トークン分類や監督権限が整理されれば、機関投資家が参入しやすくなり、市場の安定性向上につながる可能性があります。制度整備は長期的にはポジティブ要因です。
リスク:高利回り型サービスの見直し
ステーブルコイン利息などが制限されれば、高利回りを前提としたDeFiや一部サービスは縮小する可能性があります。
審議延期は短期的には不安材料ですが、拙速な規制を避けるための調整期間と捉えることもできます。
日本の個人投資家が今できること
当面は国内ルールを前提に行動するのが現実的となります。
- 国内登録取引所を利用する
- 米系サービスの規約変更に注意
- ステーブルコイン利回り商品のリスクを再確認
海外規制の影響は遅れて波及するため、事前に理解しておくことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 仮想通貨法案は廃案になったのですか?
いいえ、廃案ではありません。
審議と公聴会が延期され、修正協議が続いている段階です。
Q2. いつ審議は再開されますか?
具体的な日程は未定です。
協議は継続中と報じられていますが、再開時期は明示されていません。
Q3. 日本の投資家に直接影響はありますか?
結論: 直ちに影響するわけではありません。
ただし、米国ルールが国際標準化した場合、日本の制度にも影響する可能性があります。
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出典
- ロイター(日本語版)
https://jp.reuters.com/markets/japan/PHEZLBDWSNLJJLF3AJVPZARHNI-2026-01-15/ - ロイター(英語版)
https://www.reuters.com/ - CoinPost
https://coinpost.jp/ - Jinacoin
https://jinacoin.ne.jp/ - The Block(日本関連報道)
https://www.theblock.co/ - Sumsub(MiCA解説)
https://sumsub.com/blog/global-crypto-regulations/
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