麻生氏、「デジタル課税」に向けた国際協調を要請
G20は、日米中などの閣僚が出席する国際課税シンポジウムを、8日に福岡市で開催。グローバルIT企業に向けた「デジタル課税」を主なテーマに議論が進行した。

麻生氏、「デジタル課税」に向けた国際協調を要請

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に先立ち、日米中などの閣僚が出席する国際課税シンポジウムが、8日に福岡市で開催された。「デジタル課税」が討議における主要なテーマとなっており、今回議長を務める麻生太郎財務大臣は、「各国が共通のアプローチを取るべきである」と、多国間で協調する姿勢が重要であることを強調した。

デジタル課税とは

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などの国際的な大手IT企業に課税する各国の政策。税率の低い地域や国に利益を移すことによる、これらIT企業の税逃れの可能性が指摘されている。

国際機関の試算では、GAFAなどを含むグローバル企業が、世界で最大26兆円の税逃れをしているとの指摘もされており、国際的な統一された税制度の枠組みが求められている。

G20は8日からの財務相・中銀総裁会議で、デジタルサービスの利用者が多くいる国に現状より税収を多く配分するようにルールを見直すことで一致しているが、具体的な制度設計には、各国の間でいまだに溝がある。

今回の討議では、制度設計について、各国財務省は次のような主張をした。

  • 米国
  • グローバル企業が進出先で築いたブランド力や顧客データの価値に応じて課税する方法を提案

  • 英国
  • 巨大IT企業に限り、各国の利用者が企業に提供している個人データの価値に応じて課税する方式

また、麻生財務相は、いくつかの国がグローバル企業への一方的課税を導入していることを指摘。ムニューシン米財務長官も、英仏が導入予定の一方的課税に懸念を示した。

ただし、英仏ともに、各国が最終合意に至れば、一方的課税はやめることは明言しており、デジタル課税における多国間主義的なアプローチにはおおむね同意している模様だ。

G20は、経済のデジタル化に向けた新たな国際課税ルールについて2020年末までに最終合意することを目標としている。

日本の財務省幹部は、各国の主張を受けて、「いずれかの案を選ぶのではなく、融合させることを目指す」としており、そのような形での全体の合意形成を図る構えである。

2019年G20サミットは2019年6月28日〜29日にかけて大阪府大阪市で開催され、日本は初の議長国として複数の関係閣僚会合の開催を主催する予定である。

参加メンバー国には、日本、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、カナダのG7メンバーのほか中国、韓国など19ヶ国と欧州連合(EU)の首脳が参加する。国際会議大阪G20サミットにおける国際機関には、国連(UN)や国際通貨基金(IMF)、世界銀行、金融安定理事会(FSB)なども参加を予定する。

先日、仮想通貨関連の議題が出ると報じられたのは、首脳会合を含めて以下の二つの会合。(全関係閣僚会合は8つの開催地、また開催日時で催される予定)

  • 財務大臣・中央銀行総裁会議:日程 6月8~9日、開催地 福岡県福岡市
  • 首脳会合(サミット):日程 6月28~29日、開催地 大阪府大阪市

なお、マネーロンダリングにおける仮想通貨の国際的枠組や、利用者保護のあり方などに関しても議論される見込みであるため、引き続き注視していく。

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仮想通貨初の国際規制案に関する合意の見通しが立っているG20財務大臣・中央銀行総裁会議の開催日時が6月8日に迫っている。ビットコイン市場においても重要な会合の内容と注目ポイントをまとめた。
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