信用スコア「ドコモスコアリング」の仕組み、メリット、使い方を解説

信用スコア」という言葉が、世界的にも大きなトレンドになりつつあります。
その背景には、BtoCと呼ばれる「企業と個人」の取引から、CtoCと呼ばれる「個人間取引」が主流になったことで、個人間でのサービスが普及。
その反面、顔の見えない取引相手の信頼をどのように証明すれば良いかが一つの課題になっていました。
この課題を解決するために、世界各国が日本に先立って「信用スコア」を用いたサービスを導入しています。しかし、「信用スコア」という新しい概念が分かりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、「信用スコア」の概要説明と、最近発表された「ドコモスコアリング」について詳しく解説します。

信用スコアとは?メリット、デメリット、日本の信用スコアについても解説

信用スコアとは?

「信用スコア」とは、完結に言えば「各個人の信用度合いを、様々なデータを集めることで緻密に数値化したもの」を指しています。
「信用スコア」の先駆けは中国のトップグループ「アリババ」が発表した「芝麻信用(セサミ・クレジット)」が始まりです。年収や就業年数などをはじめ、膨大な情報を収集することで、スコアは緻密に計算されます。
点数が高ければローン金利が優遇されたり、部屋を借りる際の敷金が不要になるなどのサービスを提供。その他にも、シェアリングサービスを利用する場合にデボジット料がかからないなど、様々な恩恵を受けられるのです。
日本では、近年多くの企業が「信用スコア」を基盤にしたサービス提供を始めています。
今後は、日本においても「信用スコア」によって多くのメリット受けられる可能性もあるでしょう。

信用スコア「ドコモスコアリング」の仕組み


「ドコモスコアリング」とは、「ドコモ契約者のサービス利用状況などを元に信用スコアを算出」するものです。
スコア情報は、金融機関に提出することが可能であり、新しく始まった融資サービス「ドコモ レンディングプラットフォーム」でスコアに合わせた適切な金利・貸出枠などを提供します。

「ドコモスコアリング」では、主に5つの要素でスコアを算出します。

  1. ドコモ回線の利用期間
  2. 携帯料金の支払い履歴
  3. 金融サービス利用状況
  4. コンテンツサービス利用状況
  5. 契約内容

5つの要素を見てみると、ドコモ回線を延滞などなく長期間使うことで高いスコア評価を下されるように感じます。また携帯回線以外のdカード払い、dポイントなどもスコアの上積みに貢献するかもしれません。
こちらはある程度の枠組みである為、これからより大量のデータが蓄積することでスコア算出基準も大きく変動する可能性もあるでしょう。
現在の「ドコモスコアリング」の位置付けとしては、融資サービスである「ドコモ レンディングマネージャー」での審査基準としてスコアが使われています。
しかし、今後は数多くのサービス企業と提携し、スコアによって優遇されたサービスを受けられることも考えられるでしょう。

信用スコア「ドコモスコアリング」のメリットは?


ここまでは「ドコモスコアリング」の仕組みについて詳しく解説しました。
次に、「ドコモスコアリング」を利用するメリットについて説明します。

融資審査に通りやすくなる可能性がある

ひとつ目のメリットは、「融資審査に通りやすくなる可能性がある」ということ。
通常の融資サービスでは、「年収」「就業年数」などの決められた「信用情報」で融資上限額・金利などが決定されていました。
しかし、過去に信用情報に傷が付いてしまう問題を起こしていた場合は、審査に落ちる可能性が上がります。
「ドコモスコアリング」では、評価する対象範囲が「ドコモサービスの利用状況」に限定。
その為、万が一「年収」「就業年数」などが不安な場合でも、ドコモサービスの利用状況が健全であれば「ドコモ レンディングマネージャー」での融資審査に通る可能性があるのです。
今まで融資を受けようとしても、審査が通らない方などには大きなメリットがあります

スコアに応じた企業キャンペーンを受けられる

「ドコモスコアリング」は、現在は「ドコモ レンディングマネージャー」を利用する際の、審査項目としてだけ使われています。
しかし、「信用スコア」の先駆けである中国のように、数多くの企業サービスと提携することで、お得なサービスが受けられることが考えられるのです。
その為、今のうちにスコアを登録しておいて、長い時間を掛けてスコアを上げておくことで今後多くのメリットを受けられるでしょう。

信頼できる人かを判断する指標になる

例えば、あなたが初めての人にあった場合に、できる限り多くの情報を収集しようとします。「服装」「話し方」「感情の起伏」などをチェックして、対応を決めるはず。
近年広がりを見せている「個人間取引」サービスにおいて、顔の見えない状況の中で「相手を信頼する為の基準」が必要になっていました。
「信用スコア」は、初めての相手に対して信用できるかどうかを判断する指標になることが期待されています。

信用スコア「ドコモスコアリング」の使い方

基本的に「ドコモスコアリング」は、各種サービスの利用状況などの大量データを解析することで、自動的にスコアを算出します。
このスコアは利用ユーザーが参照することはできません。
基本的には、外部企業に提供するデータとして個人情報として保管されます。
「Yahoo!(ヤフー) スコア」では、スコア計算そのものをマイページからキャンセルできますが、「ドコモスコアリング」については不明です。
しかし、外部のサービス提供会社にスコア情報を提供する場合は、「同意」を行う必要があります。
その為、自動的に算出されたスコアが外部に漏れることはありません。

レンディングマネージャーとは

「ドコモ レンディングマネージャー」とは、融資サービスを受けたい方向けのスマートフォンアプリ。
金融機関での借入から返済までの全ての手続きをアプリひとつで行うことができるのが最大の強みです。
その他にも、家計情報を登録しておくことで借入状況を踏まえながら、適切な返済計画をアドバイスしてくれる点も独自な部分といえるでしょう。
例えば、収支がいつもの月よりも多い場合は、レンディングマネージャーが繰り上げ返済をおすすめしたり、新たに借入を行う際も、毎月の支払い計画を提示した上で貸し出すなどのサービスを提供するのです。
このような返済計画のアドバイスは、株式会社マネーフォワードとの連携によってサービスが提供されています。

信用スコア「ドコモスコアリング」を有効活用しよう

今までは銀行・ローン会社などが審査に使っていた「個人信用情報」が、「個人スコア」サービスの導入によって「信用情報」の概念そのものが大きく変わりつつあります

「銀行での審査が通らない」
「過去に延滞を繰り返して信用情報に不安がある」

そんな方でも「ドコモスコアリング」を利用することで融資を受けられるかもしれません。この記事をきっかけに、ぜひ信用スコアを利用してみてください。

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