仮想通貨の詐欺でアライズバンク創業者に約3億の支払い命令

アメリカ合衆国連邦裁判所は、アライズバンク(AriseBank)のジャレッド・ライス(Jared Rice)元最高経営責任者(CEO)とスタンレー・フォード(Stanley Ford)元最高執行責任者(COO)の2人に罰金など約270万ドル(約3億円)の支払いを命じたと、米証券取引委員会(SEC)が現地時間の12月12日に発表した。

今回の連邦裁判所の判決は、SECによるアライズバンクのICO(イニシャル・コイン・オファリング)詐欺の調査を受けて行われた。

約3億円の支払いと、仮想通貨の詐欺を防ぐ措置

今回の連邦裁判所の判決で、ライス氏とフォード氏には不正利得の返還として225万9,543ドル、判決前利息として6万8,423ドル、またそれぞれ罰金として18万4,767ドルの合計約270万ドル(約3億円)の支払いが命じられた。2人は支払いの他、今後公開会社で役員などの役職につかないことなどに同意した。

SECフォートワース地域局ディレクターのShamoil T. Shipchandler氏は、「ライス氏とフォード氏は、アライズバンクを初となる分散型銀行だと投資家に嘘をつき、独自の仮想通貨を提供していた。」とコメントしている。また2人が企業の役員などの幹部になることを禁止したのは、仮想通貨に関連した詐欺に2人が関わるのを防ぐためだと説明していた。

調達資金を宿泊費や服の購入に

テキサス州ダラスに拠点を置くアライズバンクは2017年12月ごろから、700種類以上の仮想通貨を扱う世界で初となる分散型の銀行を名乗り、ソーシャルメディアや有名人を起用し、アライズコイン(AriseCOin)と名付けた独自のトークを販売するICOを行っていた。また数週間で6億ドル(約680億円)の資金調達に成功したなど嘘の主張も繰り返していた。

SECは2018年1月30日、アライズバンクのICOは虚偽の情報に基づいたものと判断し、投資家を保護するため、連邦地方裁判所から同社の資金凍結命令を得たことを発表していた。

また2018年11月28日には、仮想通貨の詐欺で数百人の投資家から400万ドル(約4億5,300万円)以上をだまし取ったといて、アメリカ連邦捜査局(FBI)がアリス氏を逮捕したとキサス州北部地区連邦検事局が発表していた。同発表によると、ライス氏は集めた資金を食料品や服などの購入、また宿泊費など個人的な目的で使用していたとされている。

SECの投資家教育・支援室は2017年8月からICOの詐欺に注意するよう投資家に警告を発表している。

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参考
U.S. Securities and Exchange Commission
The United States Attorney’s Office Northern District of Texas

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