マネックスグループが7月26日、同社の2019年4~6月期決算発表会で、リブラ(Libra)に加入申請をする見通しを発表しました。マネックスグループは取引所コインチェックのオーナー企業です。
Libraは、Facebookがイニシアチブをとるブロックチェーンプロジェクトで、ノード運営者として初期参画する企業にVisaやMastercard、UBERなどが名前を連ねます。また同ブロックチェーンは主要通貨や国債で構成されるステーブルコインも発行します。
約10億円が必要なLibraのプロジェクト、参加するメリットとは?
Libraのノード運営に参加する際には、1,000万ドル(約10億円)の投資を求められます。多額の資金を投じてもノードとして参加するメリットは、可能性としておおよそ下記の3つでしょう。
暗号通貨業界への宣伝効果
今の時点でLibraに加入するだけで世界の暗号通貨業界への宣伝効果になることが考えられます。執筆時点でLibraに加入する企業は28だけです。このうちの1社に加わることが大きな認知獲得につながることでしょう。
Libra Investment Tokenへの投資
投資と引き換えに得れるLibra Investment Tokenの価値向上を期待するというパターンも有りえます。このトークンのキャピタルゲイン、またはインカムゲインを狙うという形です。Libra Investment Tokenのトークン設計や投資対象としての考察は下記のレポートで取り上げています。
参考:Libraブロックチェーンに付随するLibra Investment Tokenを投資対象として考察する。
Libra関連における優位性
Libraのアプリケーションは誰でも開発ができますが、協会加入企業がアプリケーション開発やビジネスを行うならば、優位性を得れる可能性はあるでしょう。世界のLibra事情をいち早く得られるためです。
その他日本企業の可能性は?
Libraに加入するには、2,000万人以上のユーザーへアクセスできるサービスを持つことなど、いくつかの目安条件があります。ノードになれる目安として以下の3要件から2つ以上を満たす必要があります。
- 企業の評価額が10億ドル(約1070億円)、または5億ドル(約530億円)の顧客資産を持つこと
- 2,000万人程度のグローバルユーザーにリーチできるプロダクトを何かしらの業界で持っていること
- S&P1200やFortune500などの指標で評価されている企業であること
ただし強いソーシャルインパクトが評価されるNGOなどの非営利団体がノード運用者になる可能性も考慮されて、その場合には$10Millionの投資は必要ありません。
日本だと、申請を検討できるような企業で、かつ暗号通貨・ブロックチェーンに関心ある企業は、マネックスグループの他、Yahoo、GMO、楽天、大和証券、野村證券などでしょうか。日本の企業はグローバルのサービスとの連携で送れ気味になったり、そもそも認知度が低いという傾向があり、Libraの加入はそういった差を埋めるチャンスにもなり得るかもしれません。
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