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弱気シグナル否定のビットコイン(BTC)、上昇トレンド継続の分水領
米中対立激化と各国における通貨安競争に起因する世界的な金融市場の不確実性が、ゴールド及びビットコイン(BTC)市場への関心を高めている。上下の壁でレンジを狭める中、ブレイク後の挙動が着目される。

底堅さを見せるビットコイン(BTC)

引き続き大荒れ模様の金融市場が、ビットコイン(BTC)への関心を高めている。8日には、米トランプ大統領による「FRB政策でドル高は好ましくない」などの口先介入などで、ドル売りも観測された為替市場。

一方で、米ホワイトハウスは、中国が米国産「農産物」の購入を一時停止した事への報復として、米企業がファーウェイと華為技術(ファーウェイ)との取引を再開するライセンスに関する決定を先送りする方針を示した。

これに先駆け、米国は、対中輸入3000億ドルに対する「第4弾の追加関税」を9月1日より発動する措置を表明。さらに、ドル元相場が2008年5月以来、11年ぶりの安値となる1ドル=7.0元の節目を突破した5日には、中国の市場介入を牽制するかのように「中国が人民元安に誘導している」などと批判した上、25年ぶりに中国を「為替操作国」に指定したことで、対立が激化している。

米財務省幹部の話によれば、ムニューシン米財務長官は「7.0元を為替操作国の指定ライン」とみており、重要な節目と言える。このまま人民元安が進行すれば、リスクオフムードに拍車をかける形となり、2015年8月11日に発生した”チャイナショック”の再来が懸念されるだろう。

米中貿易戦争の余波は深刻だ。債券市場の動向は、世界的なリセッション(景気後退)リスクが高まっているとして警鐘を鳴らしている。欧州ではドイツのイールドカーブが金融危機以来の最も平坦な水準に達した。

インドやニュージーランド中銀が政策金利引き下げを断行するなど、FRBの政策金利引き下げを発端に各国で「通貨安競争」の性質も帯び始めている。円高が進行すれば、日本としても看過できないが、対応策は限定的だ。

大統領選を控える米国では、対中強硬派が台頭しつつあり、市場からタブー視されるドル売り介入を含め予断は許さない状況が続く。このような背景は、株式や債券などの伝統的な投資対象と性質を異にするオルタナティブ資産であるビットコイン(BTC)市場には追い風といえる。

bnnbloombergの分析によれば、過去1年間のビットコインと金の相関は0.496だったが、直近3か月間で最大0.827に達するなど、投資家のポートフォリオにおけるドローダウンを最小限に抑えるため、セーフヘイブンとしての立ち位置も確立しつつあり、直近では不確実性の強まる株式市場との逆相関も観測されている。

どちらかと言えば、リスクヘッジの一環で分散投資の側面が強いと考えられるが、いずれにせよ日経ダブルインバースなどと同様、中・長期の下落局面では選択肢に入り得るだろう。

BTCチャート
米NYダウチャート
ゴールドチャート
ドル円チャート

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)は、9日12:00時点では126.3万円で推移している。売り仕掛けが入りやすい1:00〜5:00の下落でも、トレンドライン(青)を割り込む事なく反発を見せた。

4h足では、トレンドライン(青)まで下落してからの急反発(大きめの陽線)で、時間足レベルの弱気シグナル(連続陰線)を否定している。前日にレジスタンスとして機能していた黄ラインをロールリバーサルでサポート化できれば、上昇継続の目は強まるか。乱高下しつつも徐々に下値を切り上げており、ショートのロスカット基準である①をブレイクすれば、飛ぶ可能性も考えられる。

一方で、直近数日間で断続的な大口売りも観測されており、高い証拠金倍率での不用意な追いロングは急落で焼かれるリスクも高い。厚めのサポート帯かつ、4h雲にもあたる120万円前後を抜けた場合、200EMAの115万円付近や、1万ドル付近(②)もみておく必要はありそうだ。

先行指標になりやすいイーサリアム(ETH)などのアルトコインや、株式市場など外部動向も踏まえて、総合的に勘案していきたい局面と言える。

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