イーサリアム上のレンディングコントラクトのCompoundは、Maker DAOが11月18日に新たにローンチしたマルチコラテラルDAI通称MCDを新たに対応。Compound上では現在SAIとDAI(MCD)の保有者がレンディングを可能となった。

 

マルチコラテラルDAI(MCD)とは?

DAIはイーサリアム上のMaker DAOのコントラクトにより、ETHを担保にして発行する世界初の非中央集権ステーブルコインだ。ETHのみを担保にできるDAIをSingle Collateral DAI、略してSAIという名前に変更し、11月18日に新たにローンチしたERC20トークン(現在はBATのみ)とETHの複数のトークンを担保に発行できるDAIのことをマルチコラテラル(複数担保)DAIと呼ぶ。

現在SAIとMCDは移行期間となっており、SAI保有者はマニュアルで移行コントラクトを使用し、MCDへ1対1で変換が可能だ。

 

CompoundのMCD(DAI)対応

DEXやレンディングプラットフォームのMCD対応は各プロジェクトの発表によると12月2日までに行われるとしている。Compoundはイーサリアム上で初となるレンディングコントラクトであり、MCDの対応も最も早かったことになる。現在Compoundユーザーは対応しているERC20トークンやETHを担保にETHを含むMCDやDAIなど8種類のイーサリアム上のトークンをローンまたはレンディングすることが可能となっている。

出典:Compound

アップグレード可能なコントラクト

Compoundは2019年5月にCompound v2として新たなCompoundプロコトルをイーサリアムメインネットにローンチ。これによりERC20トークンと互換性のあるWETHへ一度ETHを変換してレンディングするという手間を省き、Compound Etherという独自トークンへの変換を行うことでより手軽にレンディングが可能となった。

またCompoundは

 

「cDAIのようにETHやERC20トークンごとに単一のコントラクトとしてイーサリアム上にデプロイすることで、Compoundプロコトルはより使いやすくなりアップグレードが可能なコントラクトとなった」

 

と述べている。今後もCompoundは新たなERC20トークンをレンディングに追加するのに単一のコントラクトをデプロイするだけでよく、新規コントラクトへエコシステム全体を移行させる必要がないという利点を持つのだ。Maker DAOのMCDローンチを含め、2019年はまさにDeFiの年と言えるだろう。

 

公式発表:Compound + Multi-Collateral Dai

おすすめの記事