eToro、リブラの戦略変更を提案
大手オンライン投資仲介会社eToroのブロックチェーン研究者が、フェイスブック社はリブラの代わりに、第三者の提供するステーブルコインのサポートを使用すべきだと主張、リブラの世界戦略の変更を提案したことが分かった。
eToroのブロックチェーン研究ユニットeToroX Labsは、世界中で銀行口座を持たない何百万人もの人々が使用できるピアツーピア決済ネットワークを構築するというリブラの目標は重要であり、金融業界にとってのインパクトも大きいと認めつつ、フェイスブック社がそれを実現させるためには、戦略を変更する必要があると見解を表明した。
現在、リブラには国家の通貨主権を脅かしたり、プライバシー保護の観点などから問題があるのではないかとしてG7各国等からは、懸念の声が挙がっている。
フェイスブック社は、各国の規制を遵守し、各国政府が供給量などをコントロールできるため通貨主権も脅かすことはないと反論しているものの、リブラの普及には多くの時間を必要とみられている。
こうした先行き不透明な状況を打破する手段として、フェイスブック社は規制された第三者機関と提携し、資産の発行を委任することで問題を解決できるとeToroは指摘する。
独立した、複数の法定通貨建てのステーブルコインを採用することで、通貨を管理するというタスクはフェイスブック側の手を離れ、代わりに独自のカリブラ・ウォレットを構築することに集中できる考えているという。
eToroのCEO、Yoni Assia氏は、リブラ協会は議員に対して「リブラネットワークを使って決済を実行する様々な第三者機関のガバナンス」を可能にする調和のとれた規制枠組みを提供するよう働きかけるべきだと述べた。
リブラとは別の新決済サービス立ち上げ
一方、リブラ協会によるとリブラの開発自体は順調に行われている。リブラのテストネットではすでに51,000件の送金が行われており、34プロジェクトがテストネット上で開発された。
リブラ協会が10月初頭に公開した開発のロードマップによると、年内に、協会メンバー5社がリブラのフルノードを運営するという第一段階を完了させる予定だという。
またフェイスブック社は、リブラとは別に新決済サービスとして「Facebook Pay」を近日中に開始すると発表した。米国内でサービスを開始し、国外へ提供範囲を拡大していく方針である。