低リスクでポジションを持つ取引方法は?:初心者のための仮想通貨トレード日記vol.2

※本記事はとあるコインチョイス編集部員が身をもって仮想通貨FXトレードを実践・検証していくシリーズです。また、記事内には海外取引所の取り扱いがありますが、利用を促すものではありません。

前回のあらすじ:未決済建玉を知る

一気に5万円を溶かした理由を振り返った前回で、価格が変動する要因を、ほんの少しだけでも掴むことができた気がします。未決済建玉(OI)は未だに影響が大きいとも思うので、これからも調査・検証を進めていきたいところです。

さて、前回の課題の中で残った「一回のポジション取りに全賭けのトレードをした」というポジションの持ち方について、これまでは「価格の方向性が正しいのなら、それでいいのでは?」とも考えていました。しかし、それは完全に間違いだったと気づかされます。

国内取引所の低レバレッジなら、ロスカットされる可能性も少なくなるので問題はないと思われるかもしれません。しかし、低レバレッジならリターンも少なくなるのに加えて、国内には「追証」があります。含み損が膨らんでからの大幅な価格変動で追証が発生するというような状況になれば、目も当てられません。高倍率のレバレッジがハイリスクハイリターンだからロスカットされやすいという理由に限らず、FXトレードをしていく中でリスク管理は重要な点であるということは認識しておいてください。

それでは、どのようにしてリスクと向き合いつつ、リターンを求めていけばよいのかを考えてみましょう。

リスク管理のポジション取り

単純に考えれば、最善の手法というのは「底で拾って天井で売る」というものでしょう。しかし、実際にFXをやってみると、底と天井なんてまるで分かりません。底だと思ってロングポジションを持つとさらに沈んでいったり、逆に天井だと思ってショートポジションを持つと価格が上昇し続けたりすることはよくあることではないでしょうか?

経験した中で特に多かったパターンは「底もしくは天井だと思った位置からほんの少し価格が動いてロスカットされた後、本来持っていたポジションの方向に行った」というものです。

例えば、9,000ドルの位置で100倍レバレッジのショートポジションを持つとします。すると、9,060ドルまで価格が上がり、自分のポジションはロスカットされてしまいました。しかし、その後8,400ドルまで大幅下落するといった状況になり、「もしあのポジションがロスカットされてなければ、大幅な利益が取れていたのに」と悔しい思いをすることになりますね。

このように「天井もしくは底付近だと判断した場合に、リスク管理をしながらポジションを取る」には、どうすればよかったのでしょうか。方法を探していると、TwitterやLINEのオープンチャットなどで「買い下がり」または「売り上がり」という言葉がよく行き交っています。これがリスク管理のために他のトレーダーが実践している手法だと思い、調べることにしました。

ナンピン(買い下がり・売り上がり)の必要性

この「買い上がり」または「売り下がり」は、ナンピンのことでした。ナンピンについては、こちらの記事に解説がありますので、合わせてどうぞ。

関連記事:ビットコイン(BTC)FXのナンピントレードとは?

ここで重要だと感じたのは「ポジションの維持」という点です。上記関連記事では低レバレッジでのナンピンを取り上げているのですが、OIなどと合わせて価格の予想ができれば、同様にハイレバレッジでも活用できるのではないかと思いました。

使用している取引所であるバイビット(bybit)の場合、100倍レバレッジでのポジションは50ドル動いただけでロスカットとなります。しかし、先ほどの例の中で、9,000ドルで資本の半分を使ってショートポジションを持ち、9,030ドルでもう半分を使って「ナンピン売り(売り上がり)」をしていれば、ロスカットされずにその後の下落までポジションを維持することができました。かつ、ナンピンで平均取得単価は9,015ドルになっているので、15ドル分多くのリターンができることになりますね。

ただ、ここで注意しておきたいのは、とりあえず「ナンピンで耐えてればいい」という考えは良くありません。あらゆる情報から価格の方向性を推測した上でのリスク対処方法にナンピンがあると捉えてもらいたいです。

手数料にも気を付けて

海外取引所と国内取引所では、手数料に違いがあります。国内取引所は基本的に取引手数料は無料となっていますが、売買代金に「スプレッド」と呼ばれる価格差がありますよね。海外取引所の場合はスプレッドが存在しない代わりに、手数料が注文時と決済時に発生します。

そして、共通して存在するのが建玉管理料ですね。しかしこれも海外取引所では、ファンディングレート(Funding Rate)という少し違った形になっており、ポジションによっては手数料分のお金をもらえる可能性もあります。

一通りを下記表にまとめたので、参考にしてみてください。

項目 国内取引所 BitMEX Bybit
取引手数料 無料 成行注文 指値注文 成行注文 指値注文
0.075% -0.025% 0.075% -0.025%
建玉管理料
(Funding Rate)
0.01~0.04% -0.1%~+0.1% -0.05%~+0.05%

※ビットコインでのFX取引の場合

そして、海外取引所の場合は決済手数料として、ポジション解消時に0.05%の手数料が発生します。

ここで覚えておいてほしいのは、Funding Rateの範囲は一定ではないことです。この変動はロングとショートのポジション数から算出されるもので、例えば、買いが過熱しているとプラスの方向に跳ね上がります。以前はもう少し低かったようなのですが、ここ最近では0.07%や0.09%まで上がることもあったため、少し広めの範囲を記載しています。

日本国内ではポジションを維持していると手数料が引かれていくのが基本ですが、海外の場合は貰えることもあれば、日本の取引所より多くの手数料がかかる場合があるというイメージですね。先ほどのリスク管理をしながらのポジション取りを考えていく場合、急激な変動についていくような状況でない限り、指値注文を各価格にばらまいていく方がマイナス手数料の恩恵も受けられるので、資本を残すことに繋がります。

リスク管理しなかった結果

初期資本を溶かしてから、再度5万円を投下してみました。ロスカットを食らってからポジションを持つのが怖かったのですが、価格の変動が見えたあたりでエントリーを試みます。下記は9月10日前後のチャートです。

チャート画像

このときはOIについて軽く学んではいたものの、リスク管理の意識が低く、いわゆる「イナゴトレード」で勝とうとしていました。そのため、上がるまではポジションを取るのを我慢できていたものの、今度は「どこでポジションを取ればいいんだろう」と悩み、結果として10,343.5ドルでロングを入れてしまいました。

みるみるうちに価格は下がり、10,323ドルのところでロングを解消しています。「このまま下がるのかな?」と考えたのか、ショートに切り替えました。しかし、今度は価格が上がっていく始末。怖くなって、またもやロングに持ち替えます。成行注文で何度も入れ替えているので、実際のところ、手数料もどんどん引かれていきますね。

取引ログ

そもそも10,200ドルから10,500ドルほどの大きな値動きがあった位置なので、それだけ秒・分単位の価格変動も激しいものになっています。そこで中途半端な位置から値動きに釣られるポジション取りをしてしまうと、一瞬で20ドルから30ドルも動くためにロスカットのリスクも高く、何度も入れ替えるうちに手数料で受けるダメージも積み重なっていきます。

今として考えれば、大変動の上ヒゲを見てからナンピン売りでついていくという方法がベストでした。もし出遅れたならば、その次にまた陰線の上ヒゲが見えているので、この辺りでショートを入れようかなと考えるくらいです。とは言え、予測に自信がない場合はやめておくのも一つのリスク管理だと思います。

ちなみに、最終的には全部ロスカットされ、損益はマイナス10万円になりました。リスク管理を少しでも怠ると損に繋がることが分かりますねわかりますね……。

さて、そろそろ実際の取引の様子をお伝えしていこうとも思いましたが、あとひとつだけお話したいことがありました。「チャートとインジケーター」と「TradingViewのストラテジー」についてです。おそらく初めてトレードをする人なら情報集めをしている中で「このインジケーターは必要だ」といったような情報を得るのではないでしょうか。

それが本当に必要なのか、どのようなものが自分に合っているのかなどのお話をしてから、実践のお話に移っていきたいと思います。

【これまでの損益:約-10万円】

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【トレード日記シリーズ】
仮想通貨は本当に稼げるのか:初心者のためのトレード日記vol.0
OI(未決済建玉)ってなに?:初心者のための仮想通貨トレード日記vol.1

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