セキュリティ企業カスペルスキーが仮想通貨関連マルウェアに関するレポートを発表

ロシアに本社のあるセキュリティ企業のカスペルスキーが12月12日、2018年11月から2019年10月までのマルウェア脅威についての調査結果を発表した。この発表によるとユニークユーザーの75万5,485台のコンピューターがランサムウェアの対象となり仮想通貨を要求され、225万9,038台のコンピューターがマイニングマルウェアの標的となったとしている。

75万人がランサムウェアの標的に、国別ではバングラデシュが1位

この発表では、2018年11月から2019年10月までに発見された仮想通貨を狙うマルウェアの亜種の数や攻撃回数、攻撃の多い国などの情報も記載されている。

1年間で検出されたランサムウェアの亜種は4万6,156個、加えて22個のランサムウェアファミリーが発見されている。特に4月と5月、10月の3カ月は、6,000個以上のランサムウェアの亜種が検出された。

また同調査期間中に75万5,485人のカスペルスキーのユーザーが仮想通貨を要求するランサムウェアの攻撃を受けているとも報告している。このユーザーの中には、SMBを除く20万9,679の企業ユーザーと2万2,440のSMBが含まれている。2018年11月・2019年3月・4月にそれぞれ10万人以上のユーザーが攻撃対象となった。

攻撃された国は、バングラデシュが1位で13.78%となった。2位から10位まではウズベキスタン7.20%、モザンビーク6.08%、トルクメニスタン4.23%、エチオピア3.97%、ネパール3.86%、アフガニスタン2.45%、ベトナム2.34%、中国1.94%、インド1.91%となっている。またマルウェアの種類で最も多かったのがワナクライ(WannaCry)の23.56%で1位だった。

約225万人がマイニングマルウェアの標的に

今回の発表では、2018年11月から2019年10月までに225万9,038人のカスペルスキーユニークユーザーがマイニングマルウェアの攻撃を受けたと報告している。2018年11月と12月は45万人以上のユーザーが攻撃の対象となっている。

同期間で最もアクティブなマイニングマルウェアは「Trojan.Win32.Miner.bbb」で、このマルウェアによって攻撃を受けたユーザーの総数は、13.45%だった。

参考
Kaspersky Security Bulletin ‘19

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文:かにたま

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