どのような分散型金融(DeFi)プロトコルを使うべきか?「DeFi Score」による評価

DeFi(分散型金融)のカテゴリーにはさまざまななツールやプロトコルが存在します。ユーザーはこれらを利用することで、スマートコントラクトを通してアセットをレンディングして利息を得ることやスワップを行うことができます。

DeFiの信用をスコアリングする「DeFi Score」とは?

既にプロトコルやツールの種類は非常に増えていて各ツールのどれがリスクが高いかなどについて非常に分かりづらくなっています。こういったDeFiプロトコルの信用度を可視化してスコアリングするプロジェクトが「DeFi Score」です。

DeFi Scoreは元々コンセンシス(ConsenSys)の「コーディファイ(Codefi)」というプロジェクトチーム内で作られたプロジェクトです。 Codefiはブロックチェーン上でアセットを発行できるプラットフォームです。現在はConsenSysのフラッグシッププロダクトとなっています。

DeFi Scoreはこのプロジェクトの一部でしたが、現在ではスピンアウトして独立したプロダクトとして運営されています。独立運営の形態をとった理由は企業から離れたオープンソースプロジェクトになることでよりフェアなスコアリングが可能になるからであるとしています。

DeFi Scoreは各プロダクトをどう評価しているか

DeFi Scoreではどのような基準でプロダクトを評価しているか概観しましょう。同サイトでは、スマートコントラクトリスク・金融面でのリスク・その他のリスク(規制や保険)の3点の指標で評価しています。

codefiのイメージ
参照:Codefi

スマートコントラクトリスク(合計50%)

信頼できるセキュリティ会社(ConsensysDiligenceやTrail of Bit)によってコードが監査されているかを確認します。スマートコントラクトは一度コードをデプロイしてからアップデートをすることが困難であることや、スマートコントラクトのバグによりレンディングした資金を盗めるような事態も考えられます。そのようなリスクを最大限回避するために監査企業が使用されます。
その他には、ソースコードがオープンソースでかつオンチェーンで、第三者に検証可能であることが指標として取り上げられています。バイトコードで検証可能であることが重要視されています。

金融面でのリスク

現在のDeFiのプロトコルでは借り入れをするユーザーはオーバーコラテラルといって100%を超過する担保資産をスマートコントラクトに預け入れしています。このため貸し手にとってリスクは低いと考えられています。

しかし担保比率が150%なのか200%なのかや、ロスカット精算時に十分な流動性があるかなどが格付けの指標となっています。

その他のリスク(規制や保険)

いずれのDeFiのプロトコルも同様ですが、この分野は規制が十分に整備されていません。それらに対してどのようなリスクがあるかをスコアリングされています。

高評価なDeFiレンディングプロトコルはCompound

DeFi Scoreではこれらの規準に基づいてスコアリングした結果を公開しています。

DeFi Scoreのイメージ
出典:DeFi Score

執筆時点でコンパウンド(Compound)が最も良い点数を獲得していることが分かりますす。これは筆者の肌感覚としても理解ができる点で、同プロトコルはオープンソースであり、プロトコルの新しいバージョンがリリースされるときには複数のセキュリティ企業からの監査結果をブログなどで公開しています。

DeFiはリスクが少なくレンディングが実行できるように喧伝されますが、実際にはスマートコントラクトリスクなどを内包しています。そのリスクを回避して使用するためにもこのようなサイトを利用することは有用でしょう。

【こんな記事も読まれています】
DeFi(分散型金融)の周辺で立ち上がるビジネスレイヤーとポータルサイトとは
DeFi(分散型金融)が向かう次のステージとは?Maker財団CEOによる論考
分散型金融(DeFi)の普及には何が必要?AMAでの回答から見える今後の予想


d10n Labのリサーチコミュニティでは、ブロックチェーン業界の動向解説から、更に深いビジネス分析、技術解説、その他多くの考察やレポート配信を月に20本以上の頻度で行なっています。コミュニティでは議論も行えるようにしており、ブロックチェーン領域に積極的な大企業・スタートアップ、個人の多くに利用頂いています。
▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
https://d10nlab.com

おすすめの記事