ブロックチェーンのノード運用の困難さと意味すること

○○のブロックチェーンはノード運営が大変ということを聞いた事がある人もいるかもしれません。ブロックチェーンはP2Pの分散ネットワークなので、ノード(コンピュータ)がいくつも通信し合うことによって成立しています。

ブロックチェーンによって異なるノード運用の難易度

ブロックチェーンによってそのノードを運用する難しさは異なります。よく言われることはビットコインのノード運用は容易であり、イーサリアムなどのノードは困難さは上がります。以下のツイートでは、各ブロックチェーンのノード運用のしやすさをランク付けしています。

ビットコインをはじめ、ビットコインベースのブロックチェーンであるライトコイン(LTC)などのブロックチェーンのノード運用は比較的容易ですが、イーサリアムやイオス(EOS)のブロックチェーンのノード運用の負担は大きくなっています。上記ツイートの開発者はEOSのブロックチェーンの全データを保持するフルノードを同期することに1ヶ月以上を要しているとコメントしています。

これらが意味することとはなんでしょうか。ノードの運用が容易であれば容易であるほど、世界中でフルノード運用運用者が増える傾向にあります。これはノードが運用しやすいことのメリットと言えます。ビットコインは世界中に約1万のフルノードが存在します。

ビットコインのノード
参照:BITNODES

ノード運用性と分散性の関係

ブロックチェーンの全データを保持するコンピュータがこれだけ多いということは、それだけ検証されているということであり、分散性の高さを意味します。つまり、ノードの運用性の高さは分散性に寄与することがあります。

また、ノード運用が容易であれば、そのブロックチェーンのコインを扱う事業者の負担が下がります。取引所をはじめとした事業者は、入出金の検知システムの構築やウォレットの設計に、自社でノードを運用する必要があります。この際にノード運用が容易なブロックチェーンのほうが、取引所の負担は減ります。ノード運用の負担が大きいブロックチェーンではインフラ整備に投資する必要があり、コストがかさむことがあります。

しかしブロックチェーンはノードの運用性が相対的に難しいイオスやイーサリアムなどのブロックチェーンは、分散性が低く低評価なパブリックブロックチェーンというわけではありません。そもそも、イオスやバイナンスチェーン(BinaceChain)は、ビットコインのように1万人や10万人にノード建ててもらうことを前提に設計されていない仕様であり、どちらが良いのか悪いのかを一概には言えません。

イオスなどはノード運用の難しさをトレードオフして、短時間でのファイナリティと十分なストレージを確保したブロックチェーンとして存在しています。このようなブロックチェーンごとのノード運用性の困難性と特性は重要な観点であり、知っておくべきことの一つでしょう。

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