いまや全国的に普及した交通系ICカードですが、具体的には私たちにどういったメリットがあるのでしょうか?また、交通系ICカードは全部で10種類存在し、利用する電車やよく行くお店によって、あなたに最適な一枚はそれぞれ変わるといえます。
この記事では、交通系ICカードのメリットや、各カードの特色についてご説明します。
交通系ICカードとは?
交通系ICカードとは、電車やバスなどの公共交通機関で、運賃の決済のために利用できるICカードのことをいいます。SUICAやICOCAなど電子マネー機能を備えたものがほとんどです。
カードごとに、利用できる沿線が決まっているため、エリア外では使えないというデメリットがありましたが、2013年3月23日から、142事業者が協力して相互利用サービスが開始されました。これにより1枚のICカードで、全国の駅の半分近くに当たる4300駅で利用できるようになったため、利便性が拡大し、ユーザー数が一気に増えました。
交通系ICカードで電子マネーを使うメリットと注意したい点
交通系ICカードの多くは電子マネー機能に対応しています。便利な反面気をつけたいポイントもありますので、よく理解して利用しましょう。
交通系ICカードのメリット
現金と同じように利用できる
ICカードの多くはプリペイド方式です。クレジットカードのように後払いではないので、つい使いすぎて後から高額の請求がくるという心配がなく、安心して利用できます。
決済が早い
電子マネーとして利用する最大のメリットは、支払のスムーズさです。小銭を取り出したりおつりを用意したりする手間が発生せずに、1円単位の端数まで瞬時に決済できます。消費者側もお店側にも使いやすい決済手段といえます。オートチャージ機能を利用すれば、とっさのときに残金がなくてまごつくこともありません。
簡単に利用できる
全国のコンビニや店舗などで、リーダーにかざすだけで買い物ができます。日本以外のアジアでもじょじょに広まっており、お財布なしで外出できる機会も増えていくことでしょう。
ポイントが貯まってお得!
お買い物のたびに、各交通系ICカードのポイントがたまります。日常の通勤、通学、コンビニでのちょっとした買い物で知らないうちにポイントがたまっていくということはうれしいですよね。たまったポイントは、航空会社のマイルやクレジットカードのポイントに換金できるほか、直接ICカードポイントを支払に利用できる場合もあります。
交通系ICカードで注意したい点は?
磁気不良に注意!
他のICカードと一緒にお財布に入れていたりする場合など、磁気不良で決済に利用できない場合もあるようです。磁気不良になるとカードを再発行して残高を移行しなければならないなど、不便な点もあります。
エリア外での利用にはポイントがつかない
ポイントはすべての利用について溜まるわけではなく、交通ICカードごとの対応エリア外での利用についてはポイント加算の対象にはなりません。各カードの相互利用の今後の促進が期待されますね。
交通系ICカードは全部で10種類
2018年12月現在で流通しているおもな交通系ICカードは全部で10種類あります。カードによって個性や機能が異なりますので、比べてみて、ぜひご自身にぴったりの1枚をさがしみましょう。
①Suica
利用可能エリア:首都圏、仙台、新潟
特徴:JRE POINTが貯まるほか、JR東日本のクレジットカード「ビューカード」と連携すれば、設定した金額を下回ると自動的にチャージしてくれるオートチャージの設定も可能です。おサイフケータイ機能対応のアンドロイド携帯やiPhoneを使っている場合、モバイルSuicaという機能が利用できるので、カードを持ち歩かなくても携帯電話で決済ができます。FeliCaポート/パソリがあれば、PCのネット支払にも利用できる万能の一枚です。
還元率: Suicaポイント加盟店で、登録したSuicaでショッピング決済をすると、100円~200円で1ポイント「Suicaポイント」が付与されます。還元率でいうと、0.5%~1.0%です。
オートチャージは可能か?:可能
②PASMO
利用可能エリア:首都圏
特徴:東京メトロでPASMOを使って乗車すると「メトロポイントクラブ」が貯まります。
PASMO利用でもっとポイントを貯めるためには、PASMO連動のクレジットカードと連動させる必要があります。
還元率:PASMO連動のクレジットカードごとの規約によるため、さまざまです。
オートチャージは可能か?:可能
③ICOCA
利用可能エリア:近畿・岡山・広島
特徴:JR西日本の列車とICOCAポイント加盟店での決済でポイントが貯まります。オートチャージ機能はありませんが、クレジットカードと連携した「SMART ICOCA(スマートイコカ)」という種類では、クレジットチャージができます。
還元率;ICOCA連動のクレジットカードごとの規約によるため、さまざまです。リクルートVISAカードや、割り増し期間は限定ですがオリコカードの還元率が比較的よいようです。
オートチャージは可能か?:不可
④PiTaPa
利用可能エリア:近畿・岡山・名古屋・静岡・金沢・富山
特徴:前払いが多い交通系ICカードの中では珍しく後払い方式をです。PiTaPaとクレジットカードを連携すれば、エリア内では事前チャージなしで交通手段やお買い物を利用できます。毎月のPiTaPa利用に応じた割引やポイント特典があります。
還元率:「ショップdeポイント」が、利用金額の1%還元されます。
オートチャージは可能か?可能
⑤TOICA
利用可能エリア:名古屋・静岡
特徴:ポイントやクレジットカードと提携したサービスはありません。
還元率;ありません。
オートチャージは可能か?不可
⑥manaca
利用可能エリア:名古屋
特徴:「マナカマイレージポイント」というポイントサービスがあります。また、名古屋市交通局のバスや地下鉄で、90分以内に乗り継いだ場合割引をうけることができます。
還元率;利用する交通機関によって異なるマナカマイレージポイントが付与されます。
オートチャージは可能か?:特定の鉄道事業者とクレジットカードに限定されるが、可能
⑦Kitaca
利用可能エリア:札幌
特徴:JR北海道とSAPICAの札幌エリアの地下鉄・バス・市電で利用できます。
還元率;ポイントサービスはありません。
オートチャージは可能か?不可
⑧SUGOCA
利用可能エリア:九州
特徴:JR九州と筑肥線の交通機関、自由特急券の購入や対象加盟店で利用すると、ポイント付与の対象になります。
還元率;1%
オートチャージは可能か?特定のクレジットカード会社との連携で可能
⑨nimoca
利用可能エリア: 九州(福岡、大分、熊本、佐賀、宮崎)と函館
特徴:電車・バス利用、加盟店での電子マネー利用でポイントが貯まります。さらに、nimoca一体型クレジットカードだと、オートチャージやクレジットチャージが使えるようになり、ポイントが割り増しになります。
還元率;利用目的によって異なります。交通機関の利用だと固定額に達した場合に要っていポイントが付与され、電子マネーやクレジット利用は加盟店ごとの規約によります。
オートチャージは可能か? 車載機や駅の自動改札機にカードをタッチするだけで、オートチャージできます。
⑩はやかけん
利用可能エリア:福岡市
特徴:オートチャージ、クレジット連携がなく、電子マネー利用にもポイントがつきません。代わりに交通機関の乗車ポイントは、10種類の中で最も還元率がよいです。
還元率:福岡市地下鉄の月間利用金額に対して2%
オートチャージは可能か?不可
公共交通機関を利用するなら交通系ICカードで決済するのがお得!
いかがでしたでしょうか?バスや電車など公共交通機関は、日常生活にかかせません。現金での支払いにかえて交通系ICカードに切り替えれば、お財布の小銭も支払のときの手間もスリムダウンできます。
さらに、利用ごとに溜まるポイントを利用して、お得にショッピングを楽しむこともできますね。2019年はぜひご自身にあった最適な1枚を取り入れてみましょう。