楽天ラクマでみつけた、わたしの副業【太田さん(作家名:ミュー)インタビュー】

近年度々話題になる“副業”。お金を稼ぐため、本業に役立てるためと理由はさまざまだが、興味を持つ人は多い。そんな中、フリマアプリ「楽天ラクマ」で、ハンドメイド作家として活動する人が増えている。金融系の企業で正社員として働く、太田さんもその一人だ。7年もの間ダブルワークを続ける太田さんに、副業を続けるコツや、なぜ楽天ラクマなのか?について話を聞いた。

「簡単に使えてすぐ売れる」からラクに続く

ハンドメイド作品の販売を始めたきっかけは何ですか?

幼い頃から、アクセサリーをつくるような細かい作業が好きでした。7年前に手術をして自宅療養になったことをきっかけに、動けなくてもできるアクセサリーづくりを本格的に始めました。毎日アクセサリーをつくっていると作品がどんどん増えてきたので、どこかで販売しようかなと思い、ラクマ(旧フリル)で出品をし始めました。その後仕事に復帰してからも、ずっと続けています。

なぜ「楽天ラクマ」を選んだのでしょうか?

最初はどのサービスが良いか分からなかったので、いくつかのサービスを同時に試しました。その中でもラクマは、とにかく売れるのが早くて。フォロワーも一気に増えたので、徐々にラクマだけを使うようになりました。

また、ラクマは販売手数料が「3.5%(+税)」とどこよりも安い。さらに割引のクーポンも頻繁に配布されるので、そのタイミングで作品が一気に購入されることもありますね。

出品は簡単にできるものなのですか?

すぐにできました。私はあまりネットが得意ではなくて、他のサービスだと面倒だと感じたこともあるのですが、ラクマで苦戦したことはありません。

作品を制作してから、出品する際の流れを教えてください。

まず作品の制作は、ひとつにつき短くて15分程度、長くて1時間ほどかかります。新作を考えるときは試行錯誤するので、1時間半ほどかかることも。ただすでにデザインの決まっているものなら、ほとんどは30分以内に完成しますね。
作品ができたら、私は白いお皿にのせてスマホで写真を撮ります。写真の加工は明るさの調整程度。その画像に作家名を記載して、出品用の画像をつくります。そうしたらラクマを開き、画像をアップロードして、値段や商品名を記入し、出品ボタンを押すだけです。

作品を販売する際のコツはありますか?
写真の撮り方には気を遣っています。なるべく実物と同じ見た目になるように、角度や明るさを調整して。写真のほうが良く見えてしまうと、作品が届いた際にイメージとちがってガッカリさせてしまいますよね。そうすると信用が失われて、「もうこの人からは買いたくないな」と思われてしまう。だから届いたときにむしろ「写真よりも良かった」と言われるように、写真には気をつけて出品しています。

というのも、とにかくお客さんを喜ばせたいんですよね。ファンの方が送ってくださる評価やメッセージが、本当に嬉しくて。私の作品が届いたことで、みなさんが興奮していることが伝わってくると、それが励みになって、「次はこんなのつくったら喜ぶかな?」とこちらも頑張れる。喜びが連鎖しているんです。

喜んでくれることが、嬉しくて楽しい

継続的に購入されるファンの方もいらっしゃいますか?

そうですね。プロフィールに「何時に出品します」と書いていたときがあるのですが、コアなファンの方はそれを見て待機してくださって。その時間に出品すると、一瞬で売れてしまいました。

ただそうすると、あまりラクマに慣れていない方や時間のない方が購入できなくなってしまって。いつも同じ方が購入することになるので、今年はその手法をやめました。予告せず出品するようになってからは、ご新規の方も増えて、「やっと買えました」とメッセージをいただくこともあります。

お客さんからのフィードバックで、特に嬉しいコメントはありましたか?

仕事に疲れていても、私のつくったピアスをつけた自分をトイレの鏡を見て「私、今日もきれい。頑張ろう。」って思える。その言葉はすごく嬉しかったですね。あとはたくさん購入してくださっているファンの方で、私のアクセサリーが全部入ったバッグを職場に持っていって、疲れるとたまに見るという方も。嬉しいエピソードはいっぱいあります。

正社員としてフルタイムで働きながら、アクセサリーづくりの時間はどう捻出しているのですか?

会社のお昼休みに、ご飯を10分くらいで一気に食べて、残った時間を制作にあてています。ひとりでカフェやファミレスへ行ったら、注文の品を待っている間に制作する。旅行中の新幹線でつくる。ピアノの演奏活動もしているのですが、控室での待ち時間にも制作しています。そういった空き時間を全部制作にあてることと、毎日家に帰ってから、寝るまでの時間も使っています。

非常にストイックな印象ですが、続けられる原動力は何でしょうか?

お客さんを喜ばせたいことがいちばんですね。とにかくつくるのが好きで、楽しいこともあります。作品を購入してくださったお客さんの反応が本当に嬉しくて。自分がつくったものをほしいと言ってくれること、そこに大事なお金を払ってくださることが、本当にありがたいです。それを続けていくと技術もどんどん向上していくし、お客さんからリクエストをもらってブラッシュアップする過程も楽しい。とにかく楽しいことが、続けられる理由です。

本業も副業も、両方あるからバランスがとれる

現在は、毎月どれくらいの出品で、どの程度の売上がありますか?

この数年は、副業でも食べていけるくらいには販売ができていますね。本業もあるのであまり頑張りすぎないようにしていて、現在は1日1作品の出品を目標にしています。

アクセサリーづくりだけを仕事にしようとは思いませんでしたか?

考えたことはあります。ただそうすると、どうしても人との関わりがネット中心になってしまいますよね。いま働いている職場は本当にあたたかく、尊敬できる方や頭の良い方がたくさんいて、学ぶことが多いです。この副業についても、かなり協力的で応援してくれています。アクセサリー販売だけだと、自分の成長が止まってしまうような気がしているので、この環境は辞めたくないなと思っています。

アクセサリーづくりとオフィスワークが、良い影響を及ぼし合っている部分はありますか?

新作ができると会社の先輩や同僚に見てもらって、意見を聞くこともあります。例えば今日つけているリングは、最初に丸型のモチーフをつくって見せたときに、先輩が「ハート型もできるんじゃない?」と言ってくれて。確かにできそう!と、早速昼休みにハート型も試作しました。そうやって会話から生まれるアイデアもあるし、先輩や同僚から「こんなのどう?」と提案してもらえることも。人の意見って自分とは全然ちがうので、両方の環境があることがとても良いなと感じています。

どちらの仕事でも、嫌なことってやっぱりあるじゃないですか。でも片方で嫌なことがあったとき、もう片方で明るい気持ちにさせてもらえるんですよ。どちらもあることで、頭も切り替えられる。全然ちがうことをやるのが、楽しいのだと思います。

深く考えず、まずは始めてみること

7年間アクセサリーづくりの副業を続けられた、コツはありますか?

ただただ楽しむことです。楽しくないと続かない。あとは、副業だと思わないことも大切だと思います。仕事だと思うと、売上を追ってしまいますよね。そうすると作品の良いアイデアが出てこない。だから副業と思わずに、ただ喜んでもらうことだけを考えて作品をつくる。良ければ数字はついてくるけど、数字がついてこなくても良いと思っておく。そうやって楽しむことと楽しませること、それだけを考えると続けられると思います。

あとは、他の人がやっていないことを探すこと。アクセサリーづくりをする上で、良いなと思ったものを真似するだけだと、まわりと同じものが増えて作品が埋もれてしまいますよね。だから「これは自分にしかできないデザインだ」というものを見つけるのが良いと思います。

楽天ラクマを使い続ける中で見つけた、おすすめのポイントを教えてください。

私がいちばん感じているメリットは、広報さんの活動です。ラクマではハンドメイド作家さんの人気ランキングが見られたり、ブログでハンドメイド作家さんの特集を組んで紹介してくれたり。他のサービスに比べて、一人ひとりの作家さんを盛り上げようという気持ちがすごく感じられます。良いものをつくっていても、プロモーションが苦手な作家さんは多いと思うのですが、広報さんはそういう作家さんも見つけ出してくださって。ハンドメイド作家を応援してくれる取り組みがたくさんあります。私もその取り組みに助けられていて、利用する上で他とちがう大きな強みだなと思っています。

これから楽天ラクマを使ってみたい、副業を始めたいと考える方へメッセージをお願いします。

私はあまり何も考えずにラクマで販売を始めたんですが、それが良かったなと思っています。とりあえずやってみて、そこから学べば良い。楽しくて好きだと思えることを副業にするのがいちばん。好きなことをラクマで始めれば、それが副業につながっていくのかなと思います。

今回のインタビュー動画はこちらから

太田さんが楽天「ラクマ」にて出品しているショップはこちら
ミュー’s ワイヤーアクセサリーshop

太田 (作家名:ミュー)




金融企業で秘書業務を本業にする傍ら、
14kgf製ワイヤーを使用したハンドメイドアクセサリー販売を副業としている。
2019年の楽天「ラクマ」の月間ハンドメイドランキングで、4ヵ月連続1位を取得。
アクセサリー講師としてテレビ番組出演。
その他テレビ番組、雑誌、Webなど様々な分野で活動の幅を広げている。

インタビュー:シンドウサクラ / 撮影:堅田ひとみ

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