2020年にあらゆる主要なアセットクラスの中で良いパフォーマンスを記録した暗号資産はイーサリアム(ETH)です。
ETHは2020年に、ビットコイン(BTC)以上の値上がりを見せ、S&P500などあらゆるインデックスと比較しても良いパフォーマンスを記録しました。この大きな要因としては、分散型金融(DeFi)のエコシステムが発展し、ETHがさまざまな金融アプリケーションの基軸通貨や担保資産として機能するようになったことが大きいです。
ETHの相場展開で今後重要となってくる要素は何でしょうか?このコラムでは特に注目のトピックを整理し、2021年も強気を期待できる3つの要点をあげます。
終わらないDeFiのブーム
DeFiはバブルとして終わったというような報道も一部で見受けられますが、実際はそんなことはありません。スマートコントラクトで稼働する止まらない金融システムは、大きなトレンドとしては不可逆な流れでしょう。
現にイーサリアムのDeFiのスマートコントラクトにデポジットされている総額は2020年11月に再び過去最高を更新しました。執筆時点で約1.4兆円の資産がイーサリアムのスマートコントラクトにデポジットされています。
このデポジットされている資産にはETHも多く含まれており、それはETHのユースケースが増え続けていること、DeFiとして活用される残高が増え続けていることを意味しています。
Ethereum2.0ステーキングがスタート
また、2020年11月にEthereum2.0のステーキングが開始しました。Ethereum2.0の最低要件ステーキング量の閾値を達成したことにより、12月1日にフェーズ0のBeacon Chainがローンチしました。今後さらにステーキング数が増えることが見込まれます。
ステーキングされているとはすなわちマーケットで売却されないということであり、ステーキング開始によるマーケットへの影響としては市場で売られにくいアセットになる可能性があります。また、インフレーションしたETHはステーキングしているETH保有者のみに分配さ、さらにステーキングされることも期待できます。これがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)の場合は、マイニングされたETHは電気代を補填するため市場でほとんど売却されます。
現在ネットワーク内でステーキングされているETHの総量はこちらのサイトから確認できます。
待たれるETHの規制された先物
ビットコインはCMEで規制された先物取引が開始されています。既に取引ボリュームもある程度の規模になり、マーケット全体でも存在感がある市場の1つです。これらをアメリカで監督する当局がCFTC(米商品先物取引委員会)になりますが、2020年11月現在まだETHの先物は承認していません。
しかし、CFTCのチェアマンは2020年10月にCoindeskのカンファレンスにて「イーサリアムに関心している。ビットコインはEメールにようなもの、イーサリアムはよりインターネットに近いもの」と発言しました。
CMEと同様の商品がETHでも登場することを市場は待ち望んでいます。CFTCは2020年9月に違法な金融商品を提供しているとしてビットメックス(Bitmex)を起訴しました。恐らく市場の健全化と、それに伴う規制された環境整備を準備していると推測され、ETHの規制に準拠した先物市場の登場を2021年に期待したいところでしょう。
引き続きETHに注目
いかがだったでしょうか。本コラムではETHが、2021年も強気を期待できる3つの要点として、「終わらないDeFiのブーム」「Ethereum2.0ステーキングがスタート」「待たれるETHの規制された先物」を述べました。引き続き市場の動向やメガトレンドに注目したいです。
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