信用スコアの意味・仕組みとは

中国では、信用スコアが一定以上あるとビザの申請が免除されたり、レンタカーやホテルのデポジットが免除されることをご存知でしょうか。

現在日本では信用スコアの業界に大企業が参入しているものの、サービスの浸透が進んでいません。
しかし、遠くない将来、個人の信用力がビジネスや生活の中でも重要な意味を持つようになると予想されています。

信用スコアに関する情報を早めに掴み、お得なサービスを受けられるように備えておきましょう。

信用スコアとは?メリット、デメリット、日本の信用スコアについても解説

信用スコアとは?

信用スコアとは、様々な個人のデータや情報などを集めてAIが分析し、独自のアルゴリズムを用いたスコアリングを行って信用力を数値化したものです。

分かりやすく言うと、AIがこの人はどれくらい信用できるか、個人に点数をつけたものということになります。
それにより金融サービスの個人への拡充や、個人の信用力を担保にした取引の活性化が見込まれています。

中国をはじめとした海外では、大きな成果を出しており世界的にも注目を浴びている技術です。

例えば、世界で最も利用されていると言っても過言ではない芝麻信用は社会に大きなインパクトを与えています。

芝麻信用を導入した中国のレンタカー市場では、

・レンタルに伴う手続きなどの手間を60~80%短縮
・料金の未払いを半減
・未返還・紛失率がほぼ半減近くに

という良い変化が起こりました。

その結果、インドやアメリカ、ヨーロッパなどでも次々にサービスの開発が進んでいます。

信用スコアの仕組み

画期的な信用スコアの技術ですが、どのような仕組みで運用されているのでしょうか。

大まかな仕組みとしては、以下のようになっています。

  1. 個人情報をはじめとしたデータを大量に集める
  2. AIがデータを解析して、何が信用力に影響を与えるかアルゴリズムを設計する
  3. ユーザーが情報を入力するとアルゴリズムによって数値が算出される

そのため、前提としてビッグデータを持つ会社が信用スコアのサービスを運用しやすくなります。
例えば中国の芝麻信用はアリババ系列なので、あらゆる個人情報が手に入りやすいです。

また、日本で進出しているソフトバンクやNTTドコモ、LINEも同様に膨大なデータを所有しています。
それらを基にサービスを展開しているのです。

 

信用スコアを左右するデータや行動

それでは集められた、どのようなデータや行動がスコアに影響を与えるのでしょうか。
個人の信用力で受けられるサービスが変わってくる時代に、予めそれらを知っておくことには非常に意味があるはずです。

まず、日本にある既存のサービスでは約10問〜15問の質問に回答するとスコアが算出されます。

最初の質問の情報は、

・生年月日
・性別
・現在の職業
・扶養している家族がいるか
・持ち家か賃貸か
・昨年の年収

など、大まかなものが多いです。

基本的には安定した職業に長くついているかどうか、ということが大事になりそうです。
また、最初の点数が算出された後も、データを入力すると点数が変動するというシステムが取られています。

信用スコアアップにつながること

中国でもスコアに関係すると言われているデータは、

・高い学歴
・滞りない公共料金の支払い
・適正な金額の納税
・良好な社会的人間関係

などです。

良い大学を出て、きちんと必要な支払いをしていることが評価されるということでしょう。

信用力を下げてしまうこと

社会的に評価されないのは、

・裁判所が関与した経済紛争の判決
・業務提携先から報告される違約情報
・公共料金の未納

などです。

例えば罪を犯したり、レンタル品の返却をしていなかったり、支払うべき料金を滞納していたりと、一般的に良くないとされる行動は点数を悪化させる働きをします。

信用スコアのメリット

ここからは信用スコアを利用するメリットについて詳しく解説します。

融資を低金利で受けられる

信用スコアを活用すれば、低金利で融資を受けられる可能性があります。

従来の消費者金融や金融機関では、過去の借り入れの実績や職業、年収など、限られた情報で与信判断と金利の決定をしてきました。

信用スコアを活用すれば、これまでよりも幅広い情報を基にAIが与信や金利を診断してくれるようになります。

それにより、借り手側は金融機関から信用を得て低金利でお金を借りられるという仕組みです。

返済ができないと借り手側は信用スコアを落としてしまう恐れがあるので、より健全な取引になります。

インターネット上の取引が安心

信用スコアが浸透すれば、様々なインターネット上の取引が安心して行えるようになるでしょう。

現代ではユーザー同士のC2Cと言われるサービスが数多く普及しています。
しかし、サービスは基本的に顔の見えない相手とやり取りをすることになるので、不安を感じて利用できない場合もあるはず。

もしそれらのサービス上でユーザーの信用スコアが表示されるようになれば、信用できる相手とだけ取引ができます。また、不正をするとスコアが下がる仕組みにすれば、マナーの悪い人も減るでしょう。

大きなメリットとして、フリマアプリやマッチングアプリでのトラブルが大幅に少なくなることが見込まれます。

信用スコアサービスおすすめ一覧

日本で始まっている信用スコアサービスをまとめました。

J.Score(ジェイスコア)

日本初のAIスコアレンディングのサービスで、すでに利用可能です。
みずほ銀行とソフトバンクグループが共同で設立した株式会社J.Scoreが運営しています。

メールアドレスなどを登録後、簡単な質問に回答すれば信用スコアが算出されて信用力に応じた金利や限度額が分かるので、始めるのに手間が掛かりません。

サービスは融資のみではなく、提携している企業のスコアに応じた優待を受けられるリワードという仕組みもあります。

旅行の特別プランやお買物特典など、お得なものが多いです。
登録や質問の回答は、2分ほどですぐにできるので、一度スコアを出してみることをおすすめします。

ドコモスコアリング

続いてはNTTドコモが提供するドコモスコアリング です。

ドコモ回線を使用しているユーザーの料金の支払い履歴、契約内容、端末利用時間など、様々なビッグデータを用いてドコモ独自の信用スコアを算出します。

ユーザーは、出されたスコアに応じて融資サービスを受けられるようになるという仕組みです。

NTTドコモは非通信分野により力を入れていくことを発表しているので、ドコモスコアリングでは充実したサービスを提供するはずです。

LINE Score(ラインスコア)

LINE Scoreはラインが提供する信用スコアを用いたサービスです。
LINEのアプリ画面から15問の質問に答えるだけで、簡単にスコアを知ることができます。

その他にも、アプリやラインペイの利用状況などでスコアの変動があるようです。
ちなみにメッセージの送受信内容や通話内容がスコアに影響することは無いという公式発表がありますので、安心して利用できます。

ま2019年夏にリリース予定のLINE Pocket Moneyと連携して、少額の借入ができるようになる予定です。

ラインスコアは、登録するだけでお得な特典が受けられるようになります。キャンペーンには続々と提携企業が参加して豪華なものになりそうです。

お得なチャンスを逃さないためにも登録だけ済ませておくと良いでしょう。

信用スコアは日本にも浸透する可能性あり

信用スコアは、世界での成功事例から大注目を浴びるサービスとなっております。そのため、日本でも徐々に浸透していく可能性が高いです。
利用することで、大きなメリットを享受できるかもしれません。

サービス開始直後は、企業も利用者へのキャンペーン等を充実させます。今のうちに、信用スコアやお得な特典に関する情報をおさえておきましょう。

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