信用スコア、日本にはどんなサービスがある?

ローンや融資を受ける際など、その人の信用情報というものは何よりも重要なものとなっています。現代はそのような場面でしか信用情報が利用されることはありませんが、それらが広く利用されサービスや優遇を受けられるようになればどうでしょうか。
世界では現在信用スコアというものが普及し、個人の信頼度を数値化することで、多くのサービスを受けやすくなっています。日本ではまだまだこれからですが、それでも普及が見込まれているサービスです。そのような信用スコアについてこちらで紹介していきます。

信用スコアとは?メリット、デメリット、日本の信用スコアについても解説

信用スコアとは?

「信用スコア」という言葉が聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。
信用スコアとはいうなれば個人の信頼性を数値化したものになります。個人のさまざまなデータを収集し、これを独自のアルゴリズムを使ってスコアリングすることで、その人がどれだけ信用できるかというのを目に見える形にしたものだと思っていただくといいでしょう。
このアルゴリズムを用いて診断をするのはAIであり、AIスコアと呼ばれることもあります。
信用スコアとはデータを用いたAIによる診断で個人の「信用力」を数値化したものだということです。

信用スコアの仕組み

この信用スコアとはどのような仕組みになっているかも簡単にですが触れておきましょう。
信用スコアは主に3つの仕組みで成り立っています。

  • 個人を診断するために必要なデータの収集
  • アルゴリズムを用いてデータを元にスコアリング
  • 信用スコアの活用

まずAIで診断をする上で必要なデータは、個人の信用情報などを保有する既存の信用機関や外部パートナーと連携することで収集します。
自社データを保有している際にはそれらを加え、独自のアルゴリズムを用いてAIによる診断で信用スコリングを行います。
現在日本で信用スコアサービスを提供している会社の中には質問への回答を用いてスコアリングを行うといった方法を取っているところもあります。
これらの信用スコアはパートナー企業に提供することで、個人融資の与信審査やさまざまな優遇、サービスへ活用されていきます。

信用スコアのメリット

信用スコアを利用するにあたっては3つの利点があります。

  • 頼できる人かどうかの判断が明確にできる
  • 低金利での融資を期待できる
  • サービスや優遇を受けられる可能性がある

先ほども触れたように信用スコアはその信用力を数値として明確にしたものです。もちろんそれが全てではありませんが、その精度が高まれば、信頼できるかどうかの判断基準に大きく寄与することになるでしょう。
つまりこの数値を用いることで、相手の信用力を測ることができるようになるということです。
またその信用力は金融サービスにも活かされます。金融機関でローンを組む場合、それまでの借入や返済状況など信用情報でお金を貸してもらえるか判断されていました。
信用スコアを用いて与信審査をされた場合、ローンが組めるかはもちろん、信用度が高いのであれば低金利で借り入れができる可能性も生まれるのです。
他にも信頼できる人だと判断されれば、敷金や礼金の免除や信用データが提供された提携会社のサービスや優遇、特典などを受けられる可能性があります。

信用スコアが注目される理由とは

この信用スコアですが、日本ではまだ真新しいものの海外では既に当たり前のサービスとなりつつあります。
中でもこの信用スコアで大成功をおさめたのが、中国のアリババが提供する「芝麻信用(セサミクレジット)」という信用スコアサービスです。
中国で広く普及しているクレジットスコアであり、信用スコアが一定水準を超えることで、さまざまなサービスを受ける際のデポジットが不要になり、後払いでも利用できるようになるといった利点があります。
他にも病院や空港の待機時間を減らせるといった活用方法など、生活へも直結した利用ができることから多くの人が利用するようになりました。
またアメリカでも2000年より以前からFICOというクレジットスコアの算出用ロジックを用いて、信用スコアが活用されてきました。このロジックでの算出はアメリカのシェアの9割以上を占めています。
これを受け、日本でも信用スコアの提供が徐々に広がりを見せ始めています。まだ提供している会社こそ少ないですが、現在12社が信用スコアのサービス提供を意思表示しています。

その普及には経済面やビジネスなどの社会的背景が見えてきます。
こちらも海外では当たり前となっていますが、日本でも転職者は増え続けています。これはひと昔前まであった終身雇用という考え方が崩れていったためでもありますが、この転職活動の際、職歴や学歴の他にもその人物の信用力というものも測れた場合、転職する側も雇用する側もスムーズにことを運べます。

また、最近はフリーランスといった個人事業主として経済活動を行う方も増えています。フリーランスの不利な点はローンの審査やクレジットカードの作成、アパートやマンションなどの入居に通らないというところ。しかし信用スコアが高いのであれば、フリーランスであってもその人物は信用に足る人物であると判断され、各審査に通ることができる可能性があるのです。

日本国内の信用スコアサービスまとめ

そんな日本ですでに信用スコアサービスを展開している会社もあります。まだまだ少ないですが、利用者は増えており、提携する会社も増加しています。
先ほども触れましたが、既に12社がこの信用スコアサービスの提供の意思を示しており、これからも増え続ける予定ですが、その中でも現在サービスを提供している3社についてご紹介します。

J.Score(ジェイスコア)

日本初の信用スコアサービスとして始まったのが、こちらのJ.Scoreになります。
みずほ銀行とソフトバンクが提携して設立した消費者金融であり、2016年11月からサービス提供が開始されています。
スコアの利用は無料となっており、簡単な質問に答えるだけでAIが診断しスコアリングしてくれます。もちろんそれだけでなく、提携しているみずほ銀行およびソフトバンクやワイモバイル、Yahoo!Japanなどを利用していればその取引情報なども利用されます。
こちらの信用スコアサービスはWebだけでなくアプリ版でも利用でき、手軽に同じレベルの診断を受けることができます。
またアプリ版にしかないスコアアップシステムもあるため、簡単に行えることからもアプリの使用をおすすめします。

ドコモスコアリング

ドコモスコアリングはNTTドコモが発表した信用スコアサービスです。
2019年3月からサービス提供を開始予定でしたが、6月末時点で新たな情報は出ていないようです。
こちらは自社の回線契約者の情報から導き出した信用スコアを用いています。
これらを金融機関向けに提供するといったサービスになりますが、携帯端末の顧客情報のほか、回線利用時間や携帯電話料金支払い履歴、金融サービス利用状況といったデータを抽出して活用した事例となりました。
ただしドコモスコアリングでは他の信用スコアサービスと異なり、自分のスコアを確認することは出できません。
また融資の契約や申込みに関してはレンディングマネージャーアプリというものを使わねばならないのも他とは違う点になります。こちらは返済計画やアドバイスなども受けることができます。

LINE Score(ラインスコア)

LINE Scoreは2019年6月にサービスが開始された信用スコアになります。運営会社はコミュニケーションアプリを展開する株式会社LINE。
利用料金は無料であり、こちらは自社アプリであるLINEでのデータやLINE Payなどの利用状況、そしてLINE Score開始時に同意の下で行われる質問の回答を用いてスコアリングします。
これらのデータを元にLINEアプリ内および関連サービスにスコアが提供され、融資やサービス、優遇を受けられるようになっています。
まだ開始して間もないながらも提携会社は増えており、そちらのサービスにも信用スコアが利用されており、LINEの個人融資サービスでは既に信用スコアによって優遇を受けることができる。

信用スコアは日本のサービスも急増中

日本の信用スコアサービスはまだそれほど多くありません。それでも既に12社がそのサービスの提供に名乗りを上げ、提携する企業やサービスも続々と増えています。
つまりこれからの世の中で信用スコアを利用する場面は増えていくといえるでしょう。そうなるとその実態や利用方法をしっかり把握しておくことが、活用する上では最も大切なこととなります。
より良く、便利に生活していく上で欠かせないものとなっていく可能性は高いため、生活を豊かにしていくためにも、信用スコアの利用をおすすめします。

おすすめの記事