ビットコイン(BTC)の3回目の半減期が2020年5月に迫るとともに、ビットコインが国際的な法定通貨として長年誇ってきた米ドルの地位を脅かすのではないかという観測が強まっています。
ビットコインの時価総額は、半減期を迎えるに当たって上昇し、価格上昇と相まってビットコインの在庫回転率(stock-to-flow ratio)が一段と高まり、ゴールドのそれに近づくことが確実だという説です。ビットコインの将来について、夢のような数字が飛び交う世界に入ってみるのも楽しいかもしれません。
ビットコインエキスパートのPlan BがBTC在庫回転率倍増を予測
PlanBの名で活動するビットコイン専門家は、「Investor’s Podcast(投資家ポドキャスト)」でそのような見方を示して、デジタルゴールとしての価値を高めようとしているビットコインの在庫回転率は、倍増するだろうと予言しました。
ちなみに在庫回転率とは、一定期間内に企業が保有する平均在庫が、販売される回数を示します。一定期間の売上高を一定期間の平均在庫で割り算して計算されます。その数値が高いほど、その商品価値が高いことを実証できる数値です。
ビットコインはゴールと同様に、その希少性、デフレ的特質がよくゴールドと比較されます。しかし、ゴールドは長年、在庫回転率がビットコインを上回っており、その価値が高いと評価されてきました。PlanBの見解では、ビットコインの次の半減期には、これまでのエコシステムを変える可能性のある非常に大きな出来事となり、価格は在庫回転率の倍増によって、20年5月初めには8-10倍のざっと5万~10万ドル(約540万~1,080万円)に上昇すると大胆に予測します。
20年5月ビットコイン(BTC)の時価総額は3兆ドルに迫る?
PlanBはさらに、BTCの時価総額は半減期直後、現在の約1,850億ドルから米ドルの発行高3兆ドル相当もしくはそれに近い数字にまでに膨れ上がり、1~2兆ドルほどに落ち着くだろうと見ています。
また次の2024年の半減期については、ビットコインの在庫回転率は100前後になうだろと予測します。そして、ビットコイン時価総額はそのころ、市中に出回る米ドルの市場価格を遂に超えることになります。その時点の時価総額は、10-20兆ドルになると計算されました。
PlanBは「驚異的な瞬間である。数値上の在庫回転率は100を上回って、資産に伴う価値は、1ビットコイン(BTC)当たり40万ドルから100万ドルの間になる」と語っています。
BTCの今後の見通しには不確実性がありうる
PlanBは結論として、「金融上のプレミアムとは、最高であるとの評価を得て、保持する資産に向けられるもので、それがビットコインである。従って(ビットコインは)株式市場や不動産市場のように、プレミアムとの評価を失う何らかの全く意図せぬ結果を招く引き金にもなりうる」と述べ、ビットコインの今後の見通しについて不確実性がありうることを強調しました。
ビットコインの3回目となる半減期は、現時点で2020年5月末か6月中と予測されています。半減期を迎えると、ビットコインの85%がマイニング(採掘)済みとなり、その後は1日当たり9,00枚前後のBTCしか採掘できない見通しになります。
ビットコインは発行上限が2,100万BTCと決まっていますので、ゴールド同様にインフレ率が低く、価値を大きく減らすことはないと評価されっています。半減期後インフレ率は1.8%と計算されています。ちなみにゴールドのそれは、年間3%です。さらに価格は歴史的に見て、それぞれの半減期を迎える前に大きく上昇する強気市場を経験しています。
参考
・Bitcoin’s 2024 halving could dethrone dollar in terms of market cap
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