オハイオ州が米国初のビットコイン(BTC)納税受付、税金と暗号通貨の未来像について

オハイオ州が、アメリカで初の納税をビットコイン(BTC)で受付可能にすることを発表しました。これまでスイスの南部のキアッソが世界初のビットコインでの納税受付を2017年から行っていましたが、今回はアメリカ初の州であり、注目度が高いと言えます。

ビットコイン(BTC)での納税プロセス、支払いはBitpay

納税のプロセスとして、納税者は専用のサイト(ohiocrypto.com​)にアクセスをして、事前に申請の必要があるとしています。

システムなどは完全に0から構築をするのではなく、ペイメントプロセッサの古株企業であるBitpay(ビットペイ)を使用して支払いを受け付ける方式です。対象範囲としては、個人の税金から法人税、タバコ税まで支払えるようにする予定だそうです。

米国の仮想通貨メディアのTHE BLOCKでの州財務官へのインタビューによると、今のところ受け取ったビットコインはUSドルに即時換金するプロセスにする予定だとコメントしています。

参考:THE BLOCK

ビットコイン(BTC)以外の暗号通貨採用も検討段階

また、今後はビットコイン(BTC)以外の通貨も拡充を検討しているそうです。

同インタビューでは、そもそも州財務官が、なぜ今回のビットコインの納税受付開始をしたかについて、もともと州の税金がどのように使われているか透明性を高めることを重要視していて、どのように税金が配分されているかを可視化されているサイト(参照)などを構築し、その時(4年前)にビットコインを知ったと回答をしています。

また、様々な種類のアセットで納税できるオプションを提供できて嬉しく思っていると回答をしています。同州財務官の考え方、「税金の使われ方の透明性を高めること」「様々なアセットで納税できるオプション」はとても重要な考え方であるし、ブロックチェーンとも相性が良いです。

税金の使われ方の透明性については、ブロックチェーン上のアセットならば、より低コストで透明性をあげられる可能性があるでしょう。当然、その際は、政府予算や州予算をボラティリティの高いビットコインで運用することは難しく、ドルペッグStablecoin(ステーブルコイン)のようなブロックチェーン上のアセットを使うことが想定できます。

暗号通貨と税金の未来像を考察

オハイオ州が米国初のビットコイン(BTC)納税受付、税金と暗号通貨の未来像について

政府の透明性などに関心が高いブロックチェーン業界の人は、これに加えて税金の使い方にガバナンスを加えるため、スマートコントラクトを使用すべきというような意見を聞くこともあります。

例えば、州予算をスマートコントラクトのアカウントに保持しておき、普段は利用できますが、特定の税金の使い方に対して、州の住民の70%がシグナル投票をしたらスマートコントラクトから予算を没収し、住民に返還する、などということは技術的には考えられます。

他、納税をするアセットに選択肢が生まれるのは非常に重要なことであり、例えば、ビットコインだけで生活をすることは難易度は高いですが、様々なペイメントプロセッサやデビットカードサービスもありますし、すでに不可能なことではありません。

しかし、税金だけは法定通貨で支払わなければなりません。ここに多様性が生まれることは、法定通貨以外の新しいアセットクラスが市民権を得るのに、重要な一歩でしょう。

納税の先には、将来的には実際に州政府予算の管理にスマートコントラクトを一部介入させるというような実証実験も行う国・州も出てくるでしょう。10年くらいの長期視野でこのような使われ方が実際にされることを筆者個人的には期待しています。

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