ナイジェリアの銀行が仮想通貨の取引を行う顧客に警告、口座の閉鎖も示唆

ナイジェリアの商業銀行であるユニオン・バンク・オブ・ナイジェリア(Union Bank of Nigeria)が11月下旬に、仮想通貨の取引を行う口座に対して規制をかけるとの警告を発表していた。

仮想通貨の取引に関連した口座の閉鎖を警告

ユニオン・バンク・オブ・ナイジェリアはアフリカで6番目の大きさの規模を誇る銀行。同行の「ビットコインとその他の仮想通貨の取引」というタイトルの発表は、メールで顧客に送信された。

顧客の1人がツイッターに投稿した同行からのメールには、「ナイジェリア中央銀行(CBN)は、仮想通貨を合法なものでないとし、取引に対して警告しています。顧客の資産の安全を確保するため、ユニオンバンクは仮想通貨の取引に使われた口座を監視し、口座の閉鎖を含む制限を課す可能性がある」と書かれています。

ナイジェリアの地元メディア「CommunicationsWeek」によると、ナイジェリア中央銀行は2017年1月、金融機関に仮想通貨の使用や取引、保有をしないよう呼びかけていた。また、今年2月には、仮想通貨は合法な通貨ではないとし、さまざまなリスクに注意するよう警告を発表していた。

仮想通貨の投資家らは資金を引き上げる動き

同行のツイッターによると、今回の件に関するさらなる情報はナイジェリア中央銀行のウェブサイトを確認するよう記載されているが、中央銀行には仮想通貨の取引を行う口座に関する対策は明記されていないという。またツイッター上には、「CBNは、仮想通貨やドルの取引を行う口座を規制すべきなどと言っていない。」といった批判も寄せられた。

ユニオン・バンク・オブ・ナイジェリアの口座を監視するとの突然の決定は、仮想通貨の投資家らを不安にさせ、その多くが口座が凍結される前に資金を引き出しているという。

また同行の口座の監視に関する決定は、マネーロンダリング防止法に違反している疑いのある口座だけを対象にしたものではく、顧客の資産を守る目的としている。

このことを受けて、ラゴスに拠点を置くビットコインの取引プラットフォーム「Cryset LLC」の共同設立者であるMunachi Ogueke氏は、Bitcoin.comの取材に対して、「ビットコイン取引と関連する口座を凍結することが、どう顧客の資産を守ることにつながるのか?」とコメントした。

ユニオン・バンク・オブ・ナイジェリアは1917年に設立され100年以上の歴史を持つ銀行で、41億ドル(約4,651億円)の資産を保有している。

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参考
Bitcoin.com

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