DeFi(分散型金融)プラットフォームに合わせてリサーチできる厳選ツール7選!

既存の金融市場ではブルームバーグ・ターミナル(Bloomberg Terminal)やファクトセット(FactSet) 、SNLフィナンシャル(SNL Financial)などアナリストや投資家向けの専門的なツールがあります。

しかし、仮想通貨市場ではいくつかリサーチツールはあるものの体系的に整理されておらず、時にはなかなか欲しいデータを見つけることができない場合もあります。この記事では、DeFi(分散型金融)のさまざまなデータを見られる優良ツールをいくつか紹介します。

ダイ・スタッツ(Dai Stats)

Dai Stats
出典:Dai Stats

ダイ・スタッツ(Dai Stats)はメイカーダオトークン(MKR)とダイ(DAI)に関する価格や発行数、負債に対して課される費用であるスタビリティ・フィー(Stability Fee)などのデータが参照できるサイトです。MKRはメイカーダオ(MakerDAO)が発行するステーブルコインであるDAIを安定させ、またMakerDAOの方針決定に使われるERC20トークンで、DAIは仮想通貨を担保にしたステーブルコインです。

ダルマリティクス(dharmalytics)

Dharmalytics
出典:dharmalytics

次に紹介するのはダルマ(Dharma)の情報ツールです。Dharmaとは分散型融資プラットフォームで、Dharmaを使用すると投資銀行などの中央を介さずして債券トークンを発行することができます。ダルマリティクス(Dharmalytics) は そのプラットフォームの情報を見ることができるエクスプローラーで、借りた金額や金利、貸し手のアドレスなどを参照することができます。

ETH Locked in DeFi

ETH Locked DeFi
出典:ETH Locked in DeFi

ETH Locked in DeFiではDeFiプロジェクトによって担保等としてコントラクト上にロックされ、動かすことができなくなっているイーサリアム(ETH)の量を参照することができます。MakerDAOやコンパウンド(Compound)はETHを担保にステーブルコインやその他の通貨を手に入れることができ、またユニスワップ(Uniswap)ではETHをプールにロックして流動性を提供することが可能です。

実はこのサイト、デフォルトでは上記の画像のようにピンク(Uniswap)やグリーン(Compound)などの割合が大きく見えますが、チャートの下のスイッチでMakerDAOのデータをONにすると、MakerDAOはその中でも圧倒的にロックされた数が多いことがわかります。

メイカースキャン(MakerScan)

MakerScan
出典:MakerScan

メイカースキャン(MakerScan) はInstaDAppによって開発されたMakerDAOのエクスプローラーです。

DAIを発行する際、DAIの価値を担保するためのETHが必要になりその時にスマートコントラクトを作成しなくてはならないのですが、それがコラテラル・デット・ポジション(CDP)です。このCDPがどのくらいの数作成されているのか、担保にされている金額が大きいCDPのランキングトップ5、決済されるリスクの高いCDPトップ5などの情報を見ることが可能です。

イーサビュー(EthView)

Ethview
出典:EthView

イーサビュー(EthView)では、情報を取得したいETHのアドレスまたはイーサリアム・ネームスペース(ENS)ドメインを入力すると、そのアドレスにあるETH残高、ERC20トークン残高、MakerDAOのCDP情報、Uniswap流動性プール出資状況、Compoundの借入および貸付に関するデータを見ることができます。

ローンスキャン(Loanscan)

Loanscan
出典:Loanscan

ローンスキャン(Loanscan)はMakerDAO、Compound、Dharma上の借り入れ状況に関する財務情報と分析データを提供しているツールです。まだベータ版ですが、どのプロトコル上で何のトークンがどのくらいの担保比率で借りられているのか、実質年率はいくらか、担保が決済されるリスクの高さなどのデータを一覧で見ることができます。

MKR Tools

MKR Tools
出典:MKR Tools

MKR Toolsは、MKR、DAI、およびプールド・イーサ(PETH)に関するデータを参照することができます。PETHはMakerにおいて担保資産として使われるETHのことです。

それぞれの基本的なデータに加え、Stability Feeのデータやこれまでに作成されたCDPをアニメーションで可視化したものなどがそろっています。また、今後のロードマップにはDAIがゼロエックス(0x),オーガー(Augur), ディーワイディーエックス(dYdX)など、どのようなDeFiで使われているのか、将来追加される担保通貨のリスク指標やより深いデータ情報の追加などが計画されています。

まとめ

今回のコラムでは7つのDeFiに関するさまざまなデータが見られる優良ツールを紹介しました。まだまだベーシックな作りのものも多いですが、興味を持った方は色々と調べてみてはいかがでしょうか。

データを通じて発展中のDeFiをさまざまな角度から見るのは面白いかもしれません。まだまだ未成熟な面があるDeFiを今後とも長い目で見て、世の中に大きな影響を与えることを期待します。

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参考
Dai Stats
dharmalytics
ETH Locked in DeFi
MakerScan
EthView
Loanscan
MKR Tools


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