金融庁は、仮想通貨の分離課税について、対象取引を限定したうえで税率20%を適用する方針を公式に整理しました。
対象取引には3年間の損失繰越が認められ、適用開始は金融商品取引法等の改正施行日の翌年1月以降とされています。
今回の内容は、2026年2月25日発行の広報誌「アクセスFSA」第270号で示されたものです。
令和8年度税制改正大綱に基づく制度の具体像が説明されました。
対象取引の範囲と制度の位置づけ
分離課税の対象となるのは、暗号資産取引業者が取扱う暗号資産について、同業者に対する売却や、取引業者を通じて他の投資家へ売却する取引です。
すべての仮想通貨取引が一律で20%課税へ移行するわけではありません。今回示されたのは、市場取引の一部に限定した制度設計です。
一定の暗号資産を投資対象とするETFも対象に含まれます。一方で、他の総合課税所得との損益通算は認められません。
現行では、仮想通貨の売却益は総合課税の対象とされ、所得水準によっては最大55%の税率が適用されています。
今回の整理によって、少なくとも対象となる市場取引については、株式等と同水準の20%税率が適用される方向性が明確になりました。税率水準と損失繰越の枠組みが示されたことで、制度の骨格がより具体的になりました。
もっとも、個人の現物取引の扱いや、ステーキング報酬の税区分、対象となる暗号資産の範囲などは今後の制度整備で確定します。改正法の成立と施行スケジュールが次の焦点となります。
参考元:金融庁広報誌アクセスFSA
画像:shutterstock