ネム(NEM)ブロックチェーンを使い電力トレーサビリティを商用化

ブロックチェーンテクノロジーによる取引データは、過去のデータを参照しており紐付けられている。過去の取引データはブロックチェーン上にすべて保存されており、改ざんすることが困難である。このブロックチェーンの特性は、トレーサビリティ(物流の流通や生産過程などを明確にすること)ととても相性がいい。

そんな中、みんな電力株式会社(以下:みんな電力)は2018年12月5日に、ネム(NEM)ブロックチェーンを使った電力のトレーサビリティシステムの商用化をスタートした。

参照:みんな電力株式会社リリース

ネム(NEM)を使って世界初の電力トレーサビリティシステム商用化

みんな電力は、発電量と需要量を30分ごとに個々にマッチングし、取引させることに成功。その結果は、ネム(NEM)のパブリックブロックチェーン上に記録される。これにより、どの電源からどれだけ電気を購入したかを証明することが可能となる。これは、世界初の電力トレーサビリティシステムの商用化となるとのこと。

事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブの「RE100」。「RE100」には、リコー、積水ハウス、アスクル、大和ハウス工業、ワタミ、イオン、城南信用金庫、丸井グループなどの日本企業も続々と加盟している。

電力トレーサビリティは欧州を中心にスタートし、年単位の取引が主となっていた。みんな電力株式会社の手がけるシステムでは、30分単位で電力のトレーサビリティを行う。システムには、ブロックチェーンテクノロジーが活用され、低コストを実現。オープンなプラットフォームとなり、誰もがシステムを活用できる環境となることで日本の電力トレーサビリティを、世界で最も低コストかつ高精度のものとしていくようだ。

ブロックチェーン利用のシステム採用で出来ること

このシステムにより、電力の生産者と需要家が直接取引し、電力を購入することが可能となる。みんな電力では、「ENECTパワープール」という再エネ電源をプールし、需要家とつなぐサービスを開発。RE100に加盟する企業が続々増えてきている中で、このサービスは広く使われるようになるのではないだろうか。

また、FIT電源という固定価格買取制度によって買い取られる再生可能エネルギーを用いて発電された電気(特に家庭用太陽光発電)の発生は増えている。この電気を再エネ電力として、利用・価値化するために各電源の発電量を把握し、利用を証明する必要がある。

みんな電力株式会社のシステムを活用することで低コストで実施可能となる。

ブロックチェーンテクノロジーが与える影響とは

再生可能エネルギーは、以前から注目されていたがなかなか進展がなかった。ブロックチェーンを活用しエネルギーのトレーサビリティを記録することで、再生可能エネルギーが循環するようなシステムが可能となる。

個人が電源生産者として、力を持ち取引することも現実化していきそうだ。そうなれば、一人一人がエネルギーに対して意識的に考えるきっかけとなるかもしれない。ブロックチェーンテクノロジーが、世界や経済に与える影響は、徐々に広がって行くのかもしれない。

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