米連邦捜査局(FBI)が4月13日、新型コロナウイルスのパンデミックによって増した恐怖と不安を利用した仮想通貨詐欺が増えていることを発表した。
高齢者を含むすべての年齢層の人々が犠牲に
今回の発表によると高齢者を含むすべての年齢層が、仮想通貨関連の詐欺被害に遭っている。その背景tとして、仮想通貨技術の発展と仮想通貨による決済を受け入れるビジネスの増加により、仮想通貨の人気とアクセスのしやすさが高まっていることがある。また、オンライン上には数多くの仮想通貨サービスのプロバイダーだけではなく仮想通貨キオスクが世界中に多数存在し、詐欺行為のために悪用されているという。
在宅ワーク詐欺、存在しない商品の支払いに注意
今回の発表でFBIは、「脅迫」と「在宅ワーク詐欺」、「存在しない治療や機器への支払い」、「投資詐欺」の4つの仮想通貨関連の詐欺スキームに注意を払うようにアドバイスしている。
従来の脅迫では、詐欺師が被害者の個人情報や人に知られたくない情報にアクセスし、情報公開を防ぐためにビットコインの支払いを要求するケースがあった。新型コロナウイルスの出現によりこの手口は、被害者や被害者の家族を新型コロナウイルスに感染させたくなければビットコインを支払うように要求するパターンも出てきたという。
在宅ワーク詐欺では、雇用者を装った詐欺師が自分の銀行口座に資金の「寄付」を受け入れ、仮想通貨キオスクに預けるように依頼する場合がある。被害者は知らないうちに、不正資金の送金を行い資金洗浄に加担してしまう可能性がある。
「存在しない治療や機器への支払い」の場合、詐欺師らは新型コロナウイルスの完成を防止する商品を扱う通販サイトから被害者らを無関係で規制されていないメッセージサイトに誘導し、実際には存在しない製品を仮想通貨で支払うよう求めるという。
投資詐欺では、被害者のお金を受け取るためにイニシャルコインオファリング(ICO)やその他の投資手段など、「新しい」開発中の仮想通貨への不正な投資を売り込んでいる。FBIによると、仮想通貨を受け入れている正当な寄付団体や投資プラットフォーム、オンラインショップも存在しているが、仮想通貨での支払いを強制してくるケースには注意が必要だと警告している。
またFBIは、これらの不正行為から身を守るために、寄付を送る前に慈善団体が合法でるのかの確認や、在宅勤務中にビジネスに関わる資金のやりとりに個人の銀行口座を使用しないよう注意を促している。
参考
・FBI Expects a Rise in Scams Involving Cryptocurrency Related to the COVID-19 Pandemic
【こんな記事も読まれています】
・インドの仮想通貨関連の詐欺師が拷問され死亡、被害額は66億円以上
・仮想通貨関連の詐欺などで禁固86カ月と罰金など2億円以上の支払い判決
・2019年の仮想通貨に関する犯罪被害額は約4,800億円、セキュリティ企業がレポート発表
文:かにたま