- 仮想通貨市場
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南米エリアのビットコイン需要増加を示すOTC取引データ
MEXに出現した4,000枚の買い板と値動き
ショート比率が急上昇
金融市場と仮想通貨
本日の国際金融市場の値動きは、以下の通り。
日付 | NYダウ | 日経平均株価 | ドル円 |
---|---|---|---|
1/21(月) | 24,706ドル(+336) | 20,719円(+53) | 109.66円(-0.1) |
1/22(火) | 休場 | 20,622円(-96) | 109.36円(-0.3) |
1/23(水) | 24,404ドル(-301) | 20,593円(-29) | 109.63(+0.3) |
1/24(木) | 24,575ドル(+171) | 20,574円(-19) | 109.69(+0.6) |
24日の日経平均株価は、19円安の20,574円。東証1部の売買代金は概算で2兆円を割り込むなど、閑散相場が続いている。
本日22:30〜ドラギ総裁会見があり、英国の欧州連合(EU)離脱問題に関して、不透明感強まる欧州経済の先行きについて、ドラギ総裁はどのように語るか注目される。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連銘柄では、SBIホールディングス(8473)が3.59%高。
同社のマイニング事業で、ビットコインキャッシュを採掘していることから、11月中旬のハッシュ戦争以降の急落を嫌気されて下落していた節もあったが、ビットメインの公式声明により、緊張緩和が好感された。
また、直近決算で好調な業績が続く中で1月31日の決算発表を控え、市場から割安感があると判断された可能性がある。
ビットコインテクニカル
BTC価格は上値の重い展開が続き、依然として下降チャネルのレンジ内で推移している。
次にターゲットになりやすいは、Fib0.618の3,660ドル(40万円付近)とチャネルのセンターライン3700ドル(40.5万円)。下落した場合、Fib0.786の3460ドル(38万円)は意識されやすい価格帯で、出来高も上昇しやすい。
また昨日22:00頃、BitMEXで巨大な買い板が出現した。
3571ドル(39.2万円)と、3555ドル(39万円)に2,000枚ずつ確認されており、最大100倍のレバレッジがあるとは言え、金額ベースだと15.6億円相当に上る。
その後BTC価格は一時上昇するも、約8000円幅ほど急落し、板が消失した。MEX主導の買い仕掛けが失敗した可能性も考えられる。
なお、21:00現在、L/S比率ではショートが急増。ポジションの偏りをを示唆している。
ショートは将来の買い圧力となるが、確信を持って売りを入れている大口がいるとすれば、昨年8月の暴落前のように悪材料の予兆と捉えることもできる。どの価格帯でポジションが多く積まれているかが重要になるため、今後の比率変動に注視したい。
ファンダメンタルズ
現在の相場に影響を与えている可能性のある材料は、以下の通り。
ビットコインETF、申請取り下げ
今朝方、
米証券取引委員会(SEC)は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が昨年6月に申請した「Van Eck/SolidX版のビットコインETF」に関する申請を撤回したことを発表した。
一時取り下げは、米トランプ大統領による政府閉鎖の影響で、大半の職員が休暇を余儀なくされており、十分な協議が行えなかった「審査不十分」が主因とされており、再提出の流れとなる。
SECは昨年12月、承認に関する判断を「2019年2月27日」まで最終延期していた。
詳細については、以下の記事を参考にどうぞ。
OTC取引高から世界のビットコイン需要を考察
仮想通貨取引所を介さず、当事者同士で仮想通貨などの取引を行う「OTC(相対)取引」が増加傾向にある。
中国などの規制されている国だけでなく、機関投資家の需要も拡大しつつあるとされ、米国の仮想通貨決済企業サークル社の発表によれば、2018年のOTC取引高は、2.6兆円規模にまで膨れ上がったという。
OTC取引出来高を公表している「Localbitcoins」のデータを分析すると、面白い事実が浮かび上がって来る。Localbitcoinsは、OTCとしては珍しい個人投資家(少額レベル)の取引も盛んにされるプラットフォームで、世界各国の投資家が、ビットコインとそれぞれの現地法定通貨で店頭取引を行なっている。
ユーザー同士での相対取引で発生しがちな詐欺行為を防ぎ、信頼性を担保するため、エスクローシステムを導入。オンライン取引だけでなく、実際に会って取引する対面取引も可能とされる。
まず、世界のデータ(2013年〜2019年)が以下の通りだ。
これは、BTCの価格推移に比例しており、日本円にして1BTC=220万円を記録した2017年末〜2018年初頭をピークに減少の一途を辿っている。
アメリカ市場も同様の動きを見せているが、日本市場はやや特殊で、ビットコインキャッシュのハードフォークが行われた昨年11月中旬に急激に伸びていることがわかる。
この時期は、2018年に4度跳ね返してきた65万円〜70万円のレッドラインとなる「年初来安値」をブレイクしてオーバーシュートしており、Huobi研究所のレポートでも、10,000BTC以上の超大口取引の急上昇が観測されている。
面白いのが、ハイパーインフレなどで自国通貨に不安がある南米エリアで、相場の値動きと反比例するように出来高が増加していることだ。
通貨ペソ相場が下げ止まらないアルゼンチンや、米国と国境の壁問題で揺れるコロンビアのチャートを見ると一目瞭然だ。
このような動きを見ていくと、私たちが住む日本では(現状では)なかなか実感することができない、ビットコインの需要が見えてくる。ビットコインはこれまで「価値の保存」と「ボーダーレス送金」の観点から、デジタル・ゴールドの立ち位置になり得る存在との指摘も多方でされている。
しかし、現在の長期弱気トレンドを見ていくと、他の金融市場の暴落時に高い相関率を示し、リスク資産的な側面が顕著に現れ、出来高の減少もより顕著になる傾向が見受けられる。
これは経済が比較的安定している日本において、現在の日本円に対する危機的感情が低く、あくまでも投機的な側面が強いことが一つに理由として挙げられるが、今回のデータを見る限り、世界各地の発展途上国で見られる、通貨不安や経済破綻懸念に関する需要が徐々に拡大していることを示唆している。
要するに、地政学リスクの台頭に伴う「リスク回避資産(安全資産)」としての需要拡大が見えてきていることになる。この動きが顕著に見え始めたことは、ビットコインを支える根幹的価値を投資家に示す結果に繋がるかもしれない。
例えば、金市場とビットコイン市場で比較した場合、出来高は10倍を超え、先物市場では353倍もの差があり、時価総額で比較すると10倍の差がある。
このように、安全資産の側面が通貨不安を抱える発展途上国から注目されて世界に拡大、分散投資の対象となることで一部資金が流入した結果、市場規模が拡大する恩恵は計り知れない。この動きが一般化した時、ビットコインの上昇を支える明確な「ファンダメンタルズ要因」になると言える。
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