ドナルド・トランプ米大統領は1月15日、ロイターとのインタビューで、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長について「解任する計画はない」と発言しました。

ただ、捜査によって解任の根拠が得られるかと問われると、「まだ早すぎる。時期尚早だ」と答え、捜査の進展次第では対応が変わる可能性を残しました。

司法省は1月9日、パウエル議長に大陪審召喚状を送達しています。捜査の焦点は、FRB本部の改修工事(総額25億ドル)の費用超過に関する議会証言での「偽証」疑惑と公的資金の不正使用です。

パウエル議長「捜査は利下げ圧力のための口実」

一方、パウエル議長は1月11日のビデオ声明で捜査を真っ向から批判しています。不正行為を否定した上で、「この前例のない措置は、トランプ大統領が長年求めてきた大幅な金利引き下げに応じないことへの圧力をかけるための口実だ」と述べ、捜査が政治的な手段であることを示唆しました。

トランプ大統領は就任以来、繰り返し利下げを要求してきました。パウエル議長はこうした圧力に屈さず、インフレ抑制を優先する慎重な金融政策を維持してきましたが、11月の中間選挙を前に有権者が生活費の問題を重要課題としていることから、大統領の焦りが強まっているとみられます。

歴代FRB議長のベン・バーナンキ、ジャネット・イエレン、アラン・グリーンスパンらは共同声明で、この捜査を「新興国で見られるような検察権力の乱用」と非難しました。共和党内からも批判の声が上がっています。

今後、仮に利下げが進めばインフレ再燃懸念からビットコインには追い風となる可能性がある一方、FRBの独立性を巡る政治的不透明感が解消されれば、伝統的な金融市場への信頼回復につながるかもしれません。
いずれにせよ、5月の議長任期満了までの数ヶ月間、市場は金融政策の行方を注視することになりそうです。

参考元:reuters
画像:shutterstock

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