仮想通貨取引に欠かせない「板」とは?

仮想通貨は多くの人が取引を行い、日々値動きが起こっています。すでに取引をしている人たちはその値動きに一喜一憂している人もいるでしょう。
仮想通貨は難しい、と考える人もいるかもしれませんが、チャートの読み方をしっかりと学び冷静に判断することである程度は予想することもできます。
また板と呼ばれる掲示板を利用することで自分の希望に合う取引を行うことも可能です。
ただこの仮想通貨の板とは何なのか、いまいち分からないと言う人も居るようなので、こちらではこの板について紹介していきます。

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仮想通貨取引で出てくる「板」とは

まず仮想通貨の「板」とはなんなのか見ていきましょう。
これは仮想通貨の取引所において取引したい人の買いたい価格と数量、売りたい価格と数量をリアルタイムに反映した集計表です。
今のようなデジタルでの取引変わる以前に証券取引所で売買注文を書き込んでいた黒板がこの由来であり、現在も取引所のみで利用できるシステムです。
注文情報が反映される掲示板には「売り板」と「買い板」があり、これを見て取引います。

掲示板に表示される「売り板」と「買い板」とは

板にはこの2種類があり、1つの掲示板に表示されます。仮想通貨を売りたい人の注文一覧が掲示板上側の売り板に、買いたい人の注文一覧が掲示板下側にそれぞれ反映されます。
もし仮想通貨を買いたいのであれば売り板を見てどれくらいの価格で今購入できるのか、売りたいのであれば買い板を見てどれくらいの価格で売ることができるのかの参考にすることができます。
この板、そして売り板と買い板には他の多数のユーザーの売りたい、あるいは買いたい希望価格が表示されており、相場を把握することができます。
ちなみに取引所などではこの希望価格を「気配値」と呼びます。

利用できるのは「取引所」のみ

注意が必要なのは、仮想通貨の板が利用できるのは仮想通貨「取引所」のみです。仮想通貨取引ができるのは取引所と販売所がありますが、ユーザー同士でのやり取りは取引所のみで可能であり、各ユーザーの希望価格や注文量がリアルタイムに反映され、取引がスムーズに進むように板が導入されています。
仮想通貨販売所では運営企業が販売価格を決定しているため、ユーザーが希望価格を出すことはなく板も不要なため、チャートのみでの判断していきます。

仮想通貨の板の読み方

この板の読み方ですが、先に紹介した通り、板の中心から上側が売り板、下側が買い板とよばれます。
さらに3列に分けられており、中央の2列目には価格が表示されているので、上側が売りの希望価格、下側が買いの希望価格が反映されています。
そして1列目は売りの希望数量である売数量、3列目には買いの希望数量である買数量が表示されています。
基本的に買いたいのであれば同じ行にある売りの希望価格と売数量を、売りたいのであれば同じ行にある買いの希望価格と買数量を確認して注文を判断します。

板の「厚み」

この板には厚みが存在し、これも相場を読む上では1つの指標にすることができます。
板は販売所ごとにありますが、その板同士を比較したとき注文価格と注文量の数を見比べて多い状況を「板が厚い」、少ない状況を「板が薄い」と表現します。
他にも仮想通貨ごとに比較したときや、同じ仮想通貨の板の中でも売り注文と買い注文の量を比較したとき、時間軸ごとに比較したとき、同じように厚さで表現することができます。
特に売り注文と買い注文の量を比較したとき、売り板が厚い場合は売り気配、買い板が厚い場合は買い気配であると判断することができます。
また板が厚い状況では「流動性が高い」、板が薄い状況では「流動性が低い」と判断できます。流動性とは注文の多さ、そして約定の頻度の指標として、この板の厚みは約定のしやすさを判断する上でも重要です。

板の特徴やメリット・デメリット

板は上記のように売り注文や買い注文の数量が比較できます。つまりその注文量は一目瞭然であり、売りと買いのバランスを把握しやすいのが特徴です。
注文量を見ることで、買い注文が多い場合は今後価格が上昇する可能性があり、売り注文が多ければ下落する可能性があると予想できます。
また指値、逆指値の値段が決めやすいというメリットもあります。板を確認することで現在の売りたい価格帯、あるいは買いたい価格帯を判断しやすいのは仮想通貨を取引する上では大きな利点です。
通常では予測難しい場合も、これらを把握することで通りやすい注文を出すことが可能です。
このように自分で売りたい、あるいは買いたい価格を希望する方法を指値注文といい、その値段を指値と言います。
ここで注意なのが掲示板に表示されるのは指値注文のみです。売買の値段を指定せず、その時々の市場価格で注文する方法が成行注文になりますが、こちらは反映されないため成行注文で取引を考えている場合、相場が激しく変動していれば希望価格での取引ができない可能性があるのはデメリットと言えます。

板には見せかけの動きもあるので注意が必要

板を利用した仮想通貨の取引を行う上で、注意が必要なのが「見せ板」の存在です。
これは大量の注文を入れることで価格の変動を一時的に抑える蓋という手法が用いられます。
簡単に説明すると買い注文において一定の価格で大量の注文を入れると、この注文が全て成立するまで売り注文の価格が下回ることはありません。
こうする事で大量の注文が全て成立するまでの間、一時的に変動を抑えることができます。
しかし全て成立し、蓋が外されると一気に相場が動くことになります。その反動を利用することで有利な取引に持ち込む手法を見せ板と言います。
つまりは相場を意図的にコントロールすることで有利な状況を作り出す方法です。
この価格変動に巻き込まれ大損をする可能性もあるので、板に大量の注文が入っている場合は様子をみながら判断することをおすすめします。

2020年には板による取引が禁止される可能性も

日本国内の主要な仮想通貨取引所で組織されている日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)は2020年から施行される改正金商法の解釈次第で取引所における板取引が全面禁止される可能性があると緊急提言を発表しました。
可能性の段階であり、もし全面禁止になった場合、海外の取引所から大きく遅れをとることにもなり兼ねないこと、世界でも日本は仮想通貨規制が進んでいることから考えづらいですが、今後の動向には注目をしていく必要があります。

仮想通貨取引は板を有効活用しよう

板はリアルタイムに反映され、ユーザー同士の取引においては自分の希望の価格と数量での取引がしやすいことが分かります。
しかし、リアルタイムでの取引ゆえに読み違えれば損をする可能性もあります。取引はあくまで自己責任ではありますが、できれば損をせず希望に沿った取引を行いたいところです。
そうすると板がどういったものなのか、その読み方や利用方法などを細かに知っておく必要があります。正しい読み方を理解して自分の納得いく取引を成立させましょう。

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