前回のコラムでは、仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)の特徴や使い方、注意点、手数料などについて紹介してきました。
▼知らないとヤバイ?BitMEX(ビットメックス)について解説
・レバレッジ最大100倍の仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)の特徴
・BitMEX(ビットメックス)使い方の注意点と手数料
BitMEX(ビットメックス)は価格形成についても複雑です。今回紹介する5種類の価格の違いについてしっかりと理解していないと思わぬ損失を被る可能性があります。
BitMEX(ビットメックス)価格の成り立ち
BitMEXでは通常では見られない価格の種類があります。BitMEX側では高レバレッジ商品での不必要な清算を回避するためとされている「公正価格マーキング」という独自のシステムを採用、これがないと市場操作や流動性不足など不具合が生じるそうです。
どういうことかというと、実際の価格ではなく、計算値を加算した公正価格(Fair Price)を作成し、それに基づいて損益が評価されるというものです。
【公正価格の計算式】
公正価格 = インデックス価格 *(1 + 資金調達基準率)
BitMEX(ビットメックス)の5つの価格表示
①値(Last Price)=直近価格
これが通常、表示されている現在の価格です。他の取引所ではこの現在価格のみが使用されています。
②参入価格(Entry Price)=自分が売買板で約定した価格
③インデックス価格(Index Price)=3つの取引所から作られた価格(BXBT)
インデックス価格は、海外取引所で規模の大きい「Bitstamp」「GDAX」「Kraken(2018.9導入)」の直近取引価格を3分割して算出されています。インデックス価格は「BXBT」と表示され1分ごとに算出されています。
④マーク価格(Mark Price) インデックス価格と資金調達手数料から算出された価格
ポジションを保有した時の損益や、証拠金率の算出、ロスカット基準などに使われます。
売買板にはこのように3つの価格が表示されています。
※BitMEXの流動性リスクで不要なロスカットを防ぐため、マーク価格を算出する時に利用されています。(直近価格ではありません)
⑤清算価格(Liquidation Price)=ポジションがロスカットされる時に使われる
清算価格は、ユーザーのレバレッジとポジションサイズによって決まります。その清算価格はマーク価格が基準です。
他社と異なる点、注意したい「マーク価格」
このようにBitMEX(ビットメックス)では複雑な5つの価格があるため、これを理解していないと、「想定外のところでロスカットを食らった」という誤解が生じます。特に重要なのがマーク価格です。注文を行う際は、直近価格で行いますが、ポジションを持つと、マーク価格が基準になるため、実際の価格とは異なります(これが他社と違うところ)。
また、マーク価格は3つの取引所の平均値であるインデックス価格とも乖離が見られ、それを調整するための資金調達手数料、という見方もできます。
2つの価格(インデックス価格とマーク価格)については、ビットフライヤーのSFD制度のように、どちらかの価格が先行する場合があります。これもトレードの参考になりますね。
関連:bitFlyer(ビットフライヤー)に導入されたSFD制度とは?
BitMEXの価格算出方法やその他データはHPに詳しく記載されています。BitMEXでFX/先物を行う場合は、しっかりと取り扱い方法を理解する必要があります。また海外取引所なので、取引に関しては自己責任で行なってください。
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