2018年11月の仮想通貨市場は、法規制やビットコインキャッシュ(BCH)の分裂問題などで全体相場が大きく下落。月初の時価総額は23兆円、急落後の現在は15兆円まで落ち込みました。
仮想通貨の時価総額・価格推移【10~11月】
他市場では、2009年から始まった米市場の強気相場も、頼みの綱のハイテク株が軟調となり、いよいよ相場が崩れるのではという懸念が出始めています。今年の2月にビットコインが急落した際も、ビットコインの動向が、米株やハイ・イールドボンド(ジャンク債)などリスク資産に影響を及ぼした、とされました。
仮想通貨全体の時価総額の推移です。時価総額が最大だったのは2018年1月、そこから10ヶ月で76兆円もの資金が抜けた事になります。ちなみに現在のビットコインのドミナンス(占有率)は53%です。
10月30日時点のBTC/JPYチャート
出典:BitTrade(ビットトレード)BTC/JPY 日足チャート
前回の時はBTC/JPY=72万円、ビットコインが90日移動平均線(90MA)にかろうじてサポートされている状況でした。
11月24日現在のBTC/JPYチャート
出典:BitTrade(ビットトレード)BTC/JPY 日足チャート
90MAを下抜けした後大暴落、価格は50万円を割り込み48万円台を推移。チャートで見ると2017年10月のビットコインが本格的な上昇トレンドに入る地点まで逆戻りしたことが分かります。
出来高は、買いが直近で急増「買い支え」が見られます。
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なぜ200日移動平均線が大切なのか?
次なるポイントは長期線の200MAのラインです。ここが重要ポイントとなります。
その①:トレンドが変わりにくい
移動平均線(MA)は一定期間の価格の平均値を日々算出し、その価格をつないだもの。200MAは長期トレンドを図るものであり、平均値のラインなので、日々の急騰・急落にはあまり影響されず、緩やかに方向性を示すものです。ですから上昇トレンド・下落トレンドの向きはそう簡単には変わりません。→「移動平均線は短期線ほどトレンドが変わりやすく、長期線は変わらない」
- 5日線(5MA)=過去5日間の平均価格
- 25日線(25MA)=過去25日間の平均価格
- 90日線(90MA)=過去90日間の平均価格
- 200日線(200MA)=過去200日間の平均価格
たとえ、短期線が下向き(価格が下落)しても、200日線が上向きならば、長期的には上向き、まだ上昇トレンドと言えるのです。
その②:現状をどう見る?
現在は90日線が下回り、過去90日の平均価格を下回っていますが、価格は200日線より上にあります。移動平均線は終値の平均値なので、
「この90日間にビットコインを購入した人は含み損を抱えているが、200日間に購入した人はまだ儲かっている。」
ということが言えます。
その③:200日線を下回るとタイヘン
現在の価格は200日線に近づいてきています。このまま下落すると、到達ラインは「35万円」←ビットコインホルダーにとっては重要なポイントとなります。
もし下回ることになると、今後は長期下降トレンド入りになることを示唆しています。また、200日線にタッチするとそこから大きく反発することも多いので「押し目買い」の指値を入れておくという方法もあります。
まとめ
これまで200日移動平均線を重視してきたのは、株式市場など土日休場のマーケットでは「200日=1年相場」を表すからです。ここは365日稼働する仮想通貨市場には当てはまりません。
しかし、市場はどこであれテクニカル分析の分野では、200日線は誰もが意識するラインですし、他市場の投資家も仮想通貨に多く参入して来ているので、節目ポイントとして200日線を意識しておく必要があります。またドルベース(BTC/USD)でも同様のチャート検証をしておくといいでしょう。
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