DappRadarのレポートから見るNFT取引の活発化
直近の1週間で暗号資産(仮想通貨)市場は暴落し、ビットコイン(BTC:Bitcion)価格は30%も下落しました。この影響で、1日におよそ100万人ものトレーダーが清算に巻き込まれる中、非代替性トークン(NFT:non-fungible tokens)の取引件数は増加を続けています。DApps(分散型アプリケーション)に関するデータ提供サービスの「DappRadar(ダップレーダー)」が発表したレポートによると、NFTの取引総額については減少しているものの、取引件数は増加しています。
5月1日から11日までにおける一日あたりの平均取引は約1,490万ドル(約16億3,800万円)だったものの、5月12日から26日までの期間では一日あたり約580万ドル(約6億3,700万円)にまで下がっています。しかし、NFTの取引件数は一日あたり平均85,757件に到達しており、1月時点では21,815件だったことを考えると、約3倍にもなる277%の増加となっています。この結果について、DappRaderのレポートでは、NFTの市場は仮想通貨の価格下落に対して回復力があると述べられています。
出典:What Crypto Crash? NFT Trading Volume Tripled
より普及する分散型プラットフォームとNFT
中国の規制当局が仮想通貨の取り締まりを発表した際に、市場は一時混乱に陥りましたが、NFTのマーケットプレイスやユニスワップ(Uniswap)のような分散型アプリケーションは機能していました。中央集権型プラットフォームでは、市場の混乱によって急増した取引を制御できないことが多いために、ユーザーは分散型プラットフォームに注目するようになっています。市場混乱下において、イーサリアム(ETH:Ethereum)チェーン上のアプリケーションでは手数料の高騰と処理速度の低下が発生しましたが、ポリゴン(Polygon)やバイナンス・スマートチェーン(Binance Smart Chain)など、その他のプラットフォームは通常通り運営されていました。
またNFTへの注目や成功によって、オークションハウスとして著名なクリスティーズ(Christie’s)でも初めてのNFTセールが開催されました。サザビーズ(Sotheby’s)もそれに追随し、有名なアーティストや著名人がNFTの出品を始めています。直近では、インターネット業界の起業家であるゲイリー・ヴェイナチャック(Gary Vaynerchuk)氏は、ヴィーフレンド(VeeFriends)と呼ばれるプロジェクトを立ち上げ、10,255の点数にも及ぶNFTコレクションの販売を発表しています。
【参考】
・NFT Trading Volume Increases Amid Crypto Crash, Report
・What Crypto Crash? NFT Trading Volume Tripled
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