つみたてNISAのデメリットは?投資を始める前に知っておくべきこと

将来を考えた投資方法の一つとして、つみたてNISAに注目が集まっています。

つみたてNISAは初心者でも始めやすい魅力的な投資ですが、事前に確認しておきたいデメリットもいくつかあるのが現実です。

そこでこの記事では、つみたてNISAのデメリットと、その対策について解説します。

つみたてNISAのデメリットとは?

つみたてNISAのデメリットとは?

つみたてNISAとは、年間40万円までの非課税枠を最長20年間利用できる少額投資非課税制度です。

つみたてNISAの非課税枠で購入した分配金・譲渡益は、通常発生する20.315%の税金が非課税になります。

少ない金額から始められることからリスクも抑えやすく、初心者でも投資をしやすいジャンルとなるでしょう。

注目を集めるつみたてNISAですが、その制度ならではのデメリットも存在します。

事前にデメリットを把握できれば思わぬトラブルを避けることができるので、投資のリスクをさらに抑えられるでしょう。
特にチェックしておきたいデメリットを3つ紹介しますので、以下を参考に詳細を確認してみてください。

投資方法は積立のみ

つみたてNISAの投資方法は、積立式のみが採用されています。

そのためスポット購入(特定のタイミングで投資信託を購入すること)ができず、「購入のチャンスだから、一気に追加で投資をしたい」というシーンでも対応できないのがデメリットです。

一方で、一般NISAでは積立もスポット購入も両方利用できるため、臨機応変に投資方法を変更できます。

購入方法の自由度という点では、一般NISAのほうが使いやすいと感じられるかもしれません。

その他、つみたてNISAと一般NISAには次のような違いがあります。

つみたてNISA 一般NISA
非課税期間 最長20年 最長5年
非課税枠 年間40万円 年間120万円
投資の可能な期間 2042年12月末まで 2023年12月末まで
購入方法 積立投資 スポット購入、積立投資

非課税となる期間や枠に違いがあるため、どちらのほうが優れているとはっきり判断することは難しいです。

自身の環境や目標に合っているほうを選ぶことが、上手な投資のポイントになるでしょう。

また、一般NISAは2024年より新しい制度が始まる予定なので、今後の情報に注目しておくこともおすすめです。

投資対象の商品が少ない

つみたてNISAで投資できる商品は、金融庁によって選別されたものに限定されています。
そのため、あらかじめ投資したい対象のファンドがある場合などは、つみたてNISAが使いづらく感じられるかもしれません。

つみたてNISAで投資できる商品は、長期・積立・分散投資に適している「公募株式投資信託」と「上場株式投資信託(ETF)」だけとなっています。

公募株式投資信託で言えば、以下の要件をすべて満たすものがつみたてNISAの投資対象に選ばれます。

  • 販売手数料がゼロである(ノーロード)
  • 信託報酬が一定水準以下に限定されている
  • 顧客に対し、過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知している
  • 信託契約の期間が無期限、もしくは20年以上に設定されている
  • 分配頻度が毎月ではない
  • デリバティブ取引による運用をしていない(ヘッジ目的の場合などは除く)
  • このように一定の基準が設けられ、それをクリアした商品だけが投資対象になっています。

    そのため投資対象となる本数は自然と少なくなり、SBI証券では2,600件を超える投資信託に対して、つみたてNISAの対象銘柄は174件です。(2021年5月時点)

    個別株式やREIT(不動産投資信託)は含まれないので、本数や種類が限られるという点はつみたてNISAのデメリットと言えるかもしれません。

    しかし、どんな銘柄を選べば良いのか分からないという初心者の方にとっては、銘柄が厳選されているというのは銘柄選びに悩まずに済むというメリットにもなり得ます。

    損失のカバーが難しい

    つみたてNISAや一般NISAは「損益通算」や「繰越控除」ができないため、損失分をカバーすることが難しい点もデメリットです。

    損益通算とは、別々の証券口座で発生した利益と損失を相殺できる制度です。

    例えば口座Aで10万円の利益が出たけれど、口座Bで10万円の損失が出てしまった場合、両方を相殺して運用利益をゼロにすることができます。

    つまり利益に対する税金を抑えられるのが、損益通算の特徴です。

    この損益通算がつみたてNISAではできないため、上記の例で言えば「10万円の利益 ー 10万円の損失=0円」とはならず、10万円の利益が計上されて税金がかかります。

    損失時のリスクが高くなるため、トータルの損益を常に意識しての運用が求められるでしょう。

    また、繰越控除とは損失分を翌年に繰り越すことができる制度です。
    例えば、今年10万円の損失があったとしても、翌年に10万円の利益があれば損失を繰り越して相殺できます。

    つみたてNISAではこの繰越控除も利用できないため、その年ごとに損失と利益を確定させなければなりません。

    このようにつみたてNISAは、損失をカバーできる制度が利用できません。損失に弱い点を確認した上で、運用計画を立てる必要があります。

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    つみたてNISAのデメリットへの対策は?

    つみたてNISAのデメリットへの対策は?

    つみたてNISAのデメリットを軽減するためには、いくつかの対策を事前に考えておくこともポイントです。

    例えば損失のカバーが難しいことを考慮して、中長期的に預けても問題ないお金だけで投資をするなども簡単な対策になるでしょう。

    中長期的に値上がりが期待できるのなら、相場が下落しているときにもあえて投資をして将来の利益を増額することも考えられます。

    自身で納得のいく投資計画の考案が、つみたてNISAのためにできることになるでしょう。

    つみたてNISAは必要に応じて売ることもできるため、損失が気になる場合には手放すことも検討できます。

    常に売ることを意識しての運用も、デメリット対策の一環になるでしょう。

    ただし、つみたてNISAを売った場合、非課税枠は消費されたままになってしまいます。
    年間の40万円を超えることはできないので、計画的な売却を意識しましょう。

    つみたてNISAはデメリット以外にも知っておくべきことがある!

    つみたてNISAはデメリット以外にも知っておくべきことがある!

    つみたてNISAには、デメリット以外にも確認しておきたいポイントがいくつかあります。

    例えばつみたてNISAと一般NISAに利用できる口座は、1人1つまでと定められています。

    複数の金融機関で口座を使い分けるといった方法は取れないので、あらかじめどこで口座開設をするか考えておくことがおすすめです。

    所有できる口座は1人につき1つですが、途中で口座を変更することはできます。

    年に一度という点や、すでに非課税枠を使用している場合は変更できないなどの制限はありますが、変更自体は可能であることを把握しておくと良いでしょう。

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    つみたてNISAはデメリットだけではない

    つみたてNISAはデメリットだけではない

    ここまでつみたてNISAのデメリットを紹介してきましたが、もちろんメリットもたくさんあります。

    例えばつみたてNISAの投資方法は積立購入のみになるため、買いのタイミングに迷うことはありません。

    常に一定のペースで投資を続けることができるため、心理的な負担や手間を減らすことが可能です。

    また、投資対象商品が絞られているということは、逆に言えば投資先を選びやすいというメリットにもなるでしょう。

    何千もの商品を逐一チェックして情報収集することは大変で、投資初心者や本業の片手間で始めた方にとっては高いハードルになってしまいます。

    その点、つみたてNISAはあらかじめ同条件の商品に絞られているため、気軽に投資に手を出すことが可能です。

    このようにつみたてNISAのデメリットは、初心者視点で考えるとメリットにつながることが多いです。

    その他にも、少額からの投資で無理なく続けやすいなどのメリットも得られます。

    口座開設やその後の運用なども複雑なことは少ないので、初めての投資としても魅力的でしょう。

    つみたてNISAは、デメリットを補えるだけのたくさんのメリットを持つ制度でもあるので、本格的な投資を検討してみることもおすすめです。

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    つみたてNISAのデメリットを理解しよう

    つみたてNISAのデメリットを理解しよう

    つみたてNISAのデメリットを事前に理解できていれば、心構えと対策の準備ができます。

    それはメリットをより活かすための下地にもなるので、この機会につみたてNISAのデメリットを把握してみてはいかがでしょうか。

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