直近1週間の市場では、米国を中心とした政治・金融リスクの高まりを背景に、ビットコインと金が対照的な値動きを示しました。同じマクロ不安に直面しながらも、資金の向かう先が分かれた点が特徴といえます。

ビットコイン、1週間で5〜8%下落 9.3万ドル台から8.7万ドル台へ調整

BTC/USDT 1時間足チャート

ビットコイン(BTC)は、1月19日頃に9万3,000ドル前後で推移していましたが、その後は次第に下落基調が強まりました。1月25日には8万8,000ドルを割り込み、1月26日時点では8万6,000〜8万7,000ドル台後半での推移が確認されています。終値ベースでは約8万7,469ドル前後とされ、1週間で見るとおおむね5〜8%程度の下落となりました。

米政治と金融不安が直撃 ビットコインが弱含んだ理由

背景としてまず挙げられるのが、米国の政治リスクです。米議会での予算協議の行方が不透明となり、政府機関の一部閉鎖につながる可能性、いわゆる政府シャットダウンリスクが再び意識されました。この影響で、市場全体にリスク回避の動きが広がったとみられます。

また、連邦準備制度理事会(Fed)が1月に予定する金融政策決定を前に、金利見通しへの警戒感も強まりました。インフレや景気動向を巡る発言次第では金融環境が引き締まるとの見方が残り、価格変動の大きい資産を一時的に手放す動きが出やすい局面だったと考えられます。

金価格が1週間で5〜8%上昇 5,000ドル突破し最高値圏へ

GOLD 1時間足チャート

金(ゴールド)は同じ期間に明確な上昇基調を描きました。1月22日頃には4,790〜4,820ドル付近で推移していましたが、23日には4,940ドル台まで上昇しました。さらに買いが続き、1月26日時点では5,081.43ドルを記録しています。1週間での上昇率は5〜8%程度となり、5,000ドルを上回る史上最高値圏に到達しました。

金価格上昇の要因は何か ドル安・関税懸念・中央銀行需要

金価格を押し上げた要因の一つが、米ドルの弱含みです。為替市場でドルが軟調に推移したことで、ドル建てで取引される金の相対的な割安感が意識され、買いが入りやすい状況となりました。

また、トランプ政権による追加関税や関税強化を示唆する発言が再び注目され、貿易摩擦の再燃に対する警戒感が高まりました。こうした動きは世界経済の先行き不安を意識させ、安全資産としての金需要を押し上げたとみられます。

まとめ

米政治の不安定化や金融政策への警戒、貿易摩擦、地政学リスクといった具体的な要因が重なった結果、資金は安全資産とされる金へ流入し、ビットコインはリスク資産として売られる展開となりました。足元では、同じマクロ不安の中でも、両者の市場での位置づけの違いが、価格動向としてはっきり表れている状況といえそうです。

参照:CoinDesk / Bloomberg

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