昨年解任されたボルトン前米大統領補佐官がトランプ大統領を批判した暴露本「それが起きた部屋(The Room Where it Happened )」が出版前から大変な話題になっています。その中で、トランプ大統領がビットコイン(BTC)を「始末してくれ」との意味を込めて、2年も前からムニューシン財務長官に対策を求めていたことが分かりました。
トランプ大統領は年前にビットコイン(BTC)の取り締まり命じていた
ボルトン氏の回顧録を事前入手したワシントン・エグザミナー紙によると、トランプ大統領は2018年5月、中国への経済制裁と追加関税を科す件について、ムニューシン長官に対して、「貿易交渉人にはなるな」と警告した後、「ビットコインを(詐欺の疑いで)追跡しろ(Go after bitcoin[for fraud]」と命じていたとされています。トランプ氏のこの発言の意図について、ボルトン氏はビットコインの売買を取り締まることを命じたものだと説明しています。
ちなみに米中貿易戦争のさなか、トランプ氏はムニューシン長官と激しいやり取りがあり、同長官は「貿易問題で私を望まないなら、いいでしょう。大統領の経済チームが望む通り実行してください」と答えたそうです。
トランプ氏の仮想通貨嫌いは昨年Twitter上で公開された
トランプ氏がビットコインを嫌っていることは、19年7月12日にTwitter上で明らかになったとされてます。トランプ氏は「私はビットコインとその他仮想通貨のファンではない」と公言したのです。トランプ氏はまた、ビットコインとFacebookのリブラ(Libra)発行プロジェクトに狙いを定めて、もしこれらが銀行業務を目指すならば「世界的な規制を受けなくてはならない」と述べています。
トランプ氏はさらに、「ビットコインとその他の仮想通貨は通貨ではなく、その価値は極めて変動しやすく、希薄な空気に基づいている」と表現しました。同氏はまた「規制のない暗号資産は。麻薬取引やその他不法な活動を含めて、法律に反する行動を促すことになる」とも投稿しています。
ムニューシン財務長官は仮想通貨の何らかの規制措置を示唆
トランプ氏の見解が明らかになった後、仮想通貨に反対するムニューシン長官の発言も強硬になります。同長官は19年7月15日、「われわれはビットコインの投機的性格を懸念している。米国の金融システムは、詐欺行為から保護されなくてはならない」と語っています。
同長官はさらに「ビットコインなど仮想通貨は、サイバー犯罪、恐喝、脱税、ランサムウエア、不法薬物、人身売買など、数十億ドルに及ぶ不法な活動を支えるために利用されてきた」と語っています。
同長官は次いで今年2月、金融犯罪捜査網(FinCEN)が新たな重要な措置を講じようとしていると語りました。同長官は続けて、「われわれは仮想通貨が、古くからあるスイスの秘密の銀行口座と同様なもののために利用されないように保証したい」と語っています。
ニューズウィーク(Newsweek)によると、2年前のトランプ氏の命令で何らかの具体的な規制措置が取られたかどうかは不明です。当時ビットコインは、ほぼ2万ドルの価格が付いて(17年12月)、前例のないブームを巻き起こしたわずか数カ月後の出来事でした。
参考
・Bolton: Trump told Treasury secretary to ‘go after’ Bitcoin
・President Trump Wanted to ‘Go After Bitcoin’ in 2018, Bolton Book Reveals
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