2026年3月10日に開催された「第3回日本成長戦略選択会合」で示された資料において、戦略17分野の主要製品・技術の一覧に、ブロックチェーンやWeb3、暗号資産(仮想通貨)に関する記載が見当たらないことが分かりました。
日本政府はこれまで、暗号資産やWeb3分野を新たな産業領域の一つとして位置づけてきましたが、今回の重点技術整理ではAIや半導体、量子、GXなどの分野が中心となっています。
こうした構成から、暗号資産関連分野の政策上の位置づけに変化が生じている可能性も指摘されています。
2022年の成長戦略ではWeb3推進を明記
内閣官房が2022年6月7日に公表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では、Web3.0の推進に向けた環境整備が成長戦略の一部として盛り込まれていました。
同計画では、ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)やDAO(自律分散型組織)の活用促進に加え、暗号資産に関する制度整備や環境整備を進める方針が示されています。
その後の改訂版でも、Web3関連産業の育成や暗号資産に関する制度整備の議論は継続して盛り込まれており、日本政府はこれまでWeb3分野を新たな成長領域の一つとして位置づけてきました。
最新の重点技術整理ではAI・量子などが中心
一方、今回の会合資料では「戦略17分野における主要な製品・技術等」が整理されており、AI、半導体、量子技術、バイオ、GX(グリーントランスフォーメーション)、コンテンツなどの分野が主要技術として列挙されています。
ただ、この一覧ではブロックチェーンやWeb3、暗号資産といった分野は独立した重点技術としては示されていません。少なくとも今回の整理では、暗号資産関連分野が政策の前面には出ていない構成となっています。
暗号資産政策の位置づけに変化の可能性
現時点で、日本政府が暗号資産やWeb3関連政策を取りやめたことを示す公式な説明は出ていません。
ただし、今回の重点技術整理ではAIや量子、半導体、GXといった分野が中心となっており、日本の産業政策の中で仮想通貨関連分野の優先順位が相対的に変化している可能性もあります。
今後は、日本政府が暗号資産やWeb3関連産業をどのように政策の中で位置づけていくのか、制度整備の動向とともに注目されます。
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