米SEC理事、米国をブロックチェーン企業にとって魅力的な国することに意欲
米SEC(証券取引委員会)理事Peirce氏は、米国をブロックチェーン企業にとって魅力的な国にしていくことに対して積極的な姿勢を強調。一方で当局として議論に時間を要する現状への歯がゆさをあらわにする。

米クリプトママ、規制当局での議論は時間がかかる

規制当局は、アメリカがブロックチェーン関連企業にとってより魅力的な国になる様に一所懸命努力している。

そう語るのは、「クリプトママ」との愛称で知られる米SEC(証券取引委員会)理事の一人、Hester Peirce氏だ。先週より、仮想通貨・ブロックチェーン事業に対する前向きな発言が注目されているPeirce氏だが、今回は米ブロックチェーン企業Dragonchain社との独占インタビューの模様が公開された

Peirce氏はインタビューの中で、当局が(ブロックチェーン・仮想通貨といった)新しいビジネスや技術を育てていける環境を作ることを目指す、と当局としてのあり方を示した。新技術が勃興する領域に対して柔軟な対応の必要性と規制当局としてそれを主導していく考えは一貫している。

一方で、今回の発言の中では、これまでの当局としての進捗の遅さに対してもどかしさを表明している。その理由として、膨大な数の明確にしなければならない事項があるからだとその理由を述べる。

常として大きな期間であればあるほど、新たな規制を制定したり、定義を明確にしたりするには、膨大な時間を要する。これに対して、Perce氏は理解を示す一方、その様な否定的な見方で見られがちなSEC関しては、多くの人が気づいていないことがあるという。

多くの人が認識していないことの一つとして、SECは数多くの異なる論点に取り組んでいるということがある。我々には非常に詰め込まれたアジェンダがある。

この様にSECは着実に問題に対して取り組んでいることを明かしている。ただ、それを最終決定する時間がないと語る。

SECの組織としての前向きな姿勢を示しつつも、組織の構造的問題と論点の多さから議論が膠着している様に見えていることに対する歯がゆさを感じさせる発言だ。

しかし、その様な状況にも関わらず、当局が段々と前進を加速していると、今後の展開に対して前向きな展望を持つ。

先月には、米仮想通貨取引所大手Poloniex社が、アメリカの規制が不明確であることを理由に、オフショアを進める方針を明らかにした。

peirce氏は先週、SECとしてトークンセールのプラットフォームの開発に意欲を示した

ビジネス側が法整備を待つ、という状態が長く続いてきた中で、企業と技術の流出を食い止められる様な魅力的な環境を整備し、さらに業界を規制面でリードしていけるかが今後の焦点となる。

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