カナダに拠点を構えるマイニングファームのハット8(Hut 8)は6月28日、ビットコインのマイニングに関するハッシュレートを約1.2EH(エクサハッシュ)から、年末までに約2.5~3.0EHまで拡大する見込みだと発表した。さらに、2022年半ばまでには約6EHへの拡大を目指す。
「マイニングにより獲得するビットコインも5,000枚に増加見込み」
今回の発表によると、ハット8のハッシュレートは1.218エクサハッシュだ。同社は、中国のマイニングマシン製造元であるマイクロBT(MicroBT)から、2020年4月にリリースしたWhatsminer M30Sを2021年1月に5,400台購入した。この内、2,400台の設置・展開の完了を今回発表している。
また同社は2021年3月26日、グラフィックボードのNVIDIA CMPを3,000万ドル(約33億円)で購入している。NVIDIA CMPは、グラフィックボードメーカーであるNVIDIAが開発したプロ向けのマイニング用グラフィックボードだ。このグラフィックボードが全て配備されると、ハッシュレートが1,600ギガハッシュ増加する。年7月にはハット8の施設内での設置が開始され、8月末までには完全に配備される予定だ。同社は、このような設置計画により、マイニングで獲得する新規ビットコインの枚数を2021年6月27日時点の約3,806BTCから、2021年末までに約5,000BTCに増加する見込みだという。
中国のマイニング低下によりハット8の事業が好調
2021年6月13日、マイニング難易度が約5%低下した。中国における仮想通貨マイニング規制の影響によるものとみている。今回のマイニング難易度の低下により、Hut 8の既存のマイニング事業は好影響を受ける見込みだ。
ハット8のハイメ・レバートン(Jaime Leverton)CEO(最高経営責任者)は、「増資とナスダックへの同時上場は、Hut 8にとって変革のマイルストーンとなった」と述べた。また、同氏は「ハット8のバランスシートの強さと資本管理に対する保守的なアプローチは、当社の継続的な成功と長期的な株主価値を推進する能力のための準備となった。ハット8は現在、1.2エクサハッシュを生産しており、現在進行中の新しい設備の導入により、現在の生産量である1日あたり6.2~7.3ビットコインに加えて、8月末までにさらに1日あたり2~3ビットコインを生産するという軌道に乗っている」とコメントしている。
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