韓国の警察当局が2月12日、無許可で大学にある数十台のパソコンを使い仮想通貨のマイニングを行ったとしてインドネシア国籍の22歳の男を逮捕した。韓国の英字新聞「コリア・ヘラルド(The Korea Herald)」が報じた。
退学後に大学でビットコイン(BTC)をマイニング
同紙の報道によると、容疑者の男は1月下旬に大学内にある27台のパソコンでビットコイン(BTC)やモネロ(XMR)などをマイニングできるソフトのハニーマイナー(Honeyminer)を使い数日間にわたりマイニングを行ったとされている。
男は2014年に大学に入学し、2018年9月に退学。男は除籍されたにもかかわらず、大学のパソコンを使いマイニングを行っていたという。
容疑者が国外逃亡する可能性があり韓国のウルサン地方裁判所は、逮捕状を配布。警察当局は男が仮想通貨のマイニングで利益を得ていたのか、また大学への損害などを調査するとしている。
2018年には、窃盗した電力で仮想通貨のマイニングを行う事件が多く、学校で起きたケースもあった。同年11月には中国の中学校で、校長と副校長の2人が、個人の利益のために学校内の設備を使いイーサリアムのマイニングを行ったとして逮捕された。その他にも、同じ中国で鉄道網から窃盗した電力でビットコインをマイニングしていた男に罰金160万円と懲役3年6カ月の判決が下されたケースなどがあった。
モネロ(XMR)の約4%が違法マイニング
今回の事件でマイニングされたモネロは、違法にマイニングされる仮想通貨の1つであるという。2019年1月3日に発表された仮想通貨のマイニングマルウェアに関するレポート「A First Look at the Crypto-Mining Malware Ecosystem」によると、モネロがサイバー犯罪者の間でも最も人気な仮想通貨であると報告している。
同レポートの分析では、モネロ全体の流通量の4.32%以上が違法にマイニングされたものだと指摘している。また、現金化した時期によって誤差はあるものの、これら違法なマイニングを行った犯罪者らは、総額5,700万ドル(約63億円)程度の収益を上げていると推測している。
関連
・盗んだ電力で16億円相当の仮想通貨をマイニング、被害額は3億円以上
・12億円相当の仮想通貨を盗んだ男を逮捕、約1年に及ぶ捜査で
参考
・The Korea Herald
・A First Look at the Crypto-Mining Malware Ecosystem
文:Akihiko Hirata(@akkyhira)